『昨日と今日が存在したことを証明するため』に、連続した2日間で木片を積層させた彫刻《昨日と今日の積層》を4回に分けてお送りする。一年後、この『同じようで違う日々の積層』を見る私たちは、どのような時間を思うのでしょうか。
ロット:1
販売価格:¥220,000(税・送料込み)
「昨日と今日の積層」
このプロジェクトにおいて重要なことは「時間」なのだと思います。
誰もが限りある時間の中を生きている。昨日と今日が存在したことを証明するため、連続した2日間で木片を積層させた彫刻を毎回1点送ります。4回を通して見えてくるのは、同じようで違う日々の積層です。
*参考作品|約300×300×600mm、アクリル塗料・木材
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─ [m@p]meet @ post プロジェクトにお声掛けさせていただいた時、率直にどう思われましたか?
ステイホームの時期だったので、自宅でできることで、何か新たなことをはじめれたらと思っていたので、ちょうど良いタイミングで声をかけていただけたなあと思いました。
─ 「昨日と今日のドローイング」について。モノの集積や連続性、手作業からの繰り返しの中で作品を生み出してきた、森さんらしい作品だなぁと思ったのですが、今回ドローイングに取り組まれた理由はあるのでしょうか。
ドローイングは学生の頃から描いてきています。なかなか発表する機会は少ないのですが、自身の中では日常的な制作のひとつなので、今回あえてというよりは、いつもやってることに「昨日と今日」というフレームを付け加えて描くとどうなるかなと、ふと思ったのが理由です。
─ サイズなどの制限はあったかと思いますが、作品をつくる上での制約をどのようにアイディアに展開されましたか?
自身のドローイングがそれほど価値があるとも思ってなくて、価格が決まっていたため、A4サイズ1枚では成り立たないなあと感じたのが、正直なところでもあります。1回につき、2枚送りたいなあと。それでどうすれば良いかなという流れで、「昨日と今日」という発想につながっていきました。
─ 「昨日と今日のドローイング」は合板にペン・色鉛筆というのが主な素材ですが、絵画作品というより合板のザラザラした質感、ペン跡からできる凹凸が立体(彫刻?)作品のようにも感じ取れるのですが、今回のメディウムを選んだきっかけがあれば教えてください。
ドローイングの作品ですが、絵画というよりは木を削ったり、石を彫ったりというような連続の作業性を意識して制作しているので、彫刻の制作過程に近いように自身では思っています。ですので、描くときの質感や表面の仕上げ方も、手に馴染む画材や支持体を用いています。
─ 「今回のプロジェクトに重要なのは『時間』です。」というテキストがありましたが、ご自身の中でもコロナによって社会が一変する以前とは違った時間の過ごし方など、時間の捉え方に変化はありましたか?
今生きている人も、みんないつかこの世界からいなくなる。与えられた時間は限られている。ということを感じることが増えたように思います。決して悲観的ではなく、あたりまえと思っていたことのありがたさを感じることが多くなりました。
─ 「昨日」と「今日」といったはっきりとした時間軸の中で連続させて作品をつくることに取り組まれるのは初めてですか?手応えとしてはどのように感じていらっしゃいますか?
はじめてです。昨日描いたものを横に置きながら、描くことにしているので、似通ったものになるのですが、同じものは当然できないので、そのあたりの同じようで違うことや、変化してないようで変化することなど、「昨日と今日」は同じようで全く違うということに、改めて気付けたように思っています。
─ プレミアムの作品は2016年にパルクで開催した展覧会「転用と配列」にも展示されていましたし、これまでにも展開されてきたものだと思いますが、やはり特徴的なのは、時間軸が違うものを比較する点でしょうか?
一つの作品に、時間軸の違う材が集積されているのが面白いと思っているのかもしれません。この問いで今思いました!
─ 「昨日と今日の積層」は作品の大きさも大きくなり、1日で制作するとなると結構大変そうだと思ってしまうのですが、実際はどうでしょうか?
ドローイングは制作時間としては1枚1時間くらい。積層の作品は10時間ぐらいで制作できるので、それほど大変なことでもなく、1日の時間でできる範囲だと思います。
─ ほかの[m@p]参加作家のプランで気になるものはありますか?
藤永覚耶さんと[m@p]について話す機会があって、こんなふうに展開したのだと思って見てました。参加されている各作家それぞれに、いろんな解釈や方法で制作されているのが興味深いです。