ギャラリー・パルクでは、2013年10月05日[土]から10月20日[日]まで、「記憶と気象:森太三展」を開催いたします。
美術作家・森太三(もり・たいぞう/大阪・1974~)は、1999年に京都精華大学大学院美術研究科立体造形専攻修了以降、2006年の「クリテリオム69」(水戸芸術館・茨城)や、2011年の個展「空を眺める」(GALLERY wks.・大阪)などのギャラリーや美術館での発表に留まらず、2009年の「越後妻有アートトリエンナーレ」で発表した、小学校の床全面を紙粘土で敷きつめるインスタレーションをはじめ、2012年の和室空間を持つギャラリー揺(京都)での個展や昭和初期建築である常懐荘(愛知)での展示など、多様な場所・空間での発表に積極的に取り組んでいます。
とりわけ身近な素材と手仕事を用い、展示空間の持つ性質を丹念に見極め、その特性を過不足なく取り込んだインスタレーションは、空間に「ある風景」をつくり出すものとして、注目を集めています。タイトルを「記憶と気象」とする本展でも、森がこれまで幾度か用いてきた紙片によって、外光を取り込んだギャラリー内部にある風景が広がります。鑑賞者は目の前の風景を見やり、歩き、留まり、あるいは寝転がったりするうちに、いつしか内なる記憶や心象を手繰り、そこに「何かのような」あるいは「まったく新しい」風景を見つけるかもしれません。
鑑賞者は自らを基点に外(目の前の風景)と内(空想や心象)への2つの旅を体験し、そこにある僅かなズレや確かな繋がりを感じる事となるのではないでしょうか。また、そこでは「記憶」と「気象」という意味深なタイトルの関わりをも知る事が出来るかもしれません。