m@p Artist

平野 泰子

Hirano Yasuko

作家インタビューを掲載しました。>>こちら

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  • 初回お届けイメージ《Superposition》 

  • 2回目以降お届けイメージ 

  • 2回目以降お届けイメージ

  • 額装例(額装は付きません)

カラーフィールドペインティングを主として絵画制作を続ける平野は、これまで作品制作を繰り返す中で画面に現れてくる「あるカタチ(構図や図形)」をモチーフにした作品を展開させる。かつての行為や営みの中に生じた痕跡を取り出し、新たな時間と空間に接続してみせる今回のアプローチにより、平野の作品がどのように変化するかはまだわかりませんが、お届けする作品に鑑賞者がその時々の(生)を見出していだければ。


 

ロット:10

販売価格:¥55,000(税・送料込み)


絵具を塗り重ねることで、空間が現れ、近くにあることを遠ざけ、遠くにあることを近づけようとし

尊さや思いを馳せることを絵画作品で留めたいと制作をして来ました。

 

今回のスタンダードの作品では、制作を繰り返す中で、

現れてくる特定の図(構図や形)を取り出し描いたシリーズです。

それらは一つのレイヤーとも言えます。

 

行為から断片的に図を取り出し 新たに出会うことで、時間と空間を超えて蘇る記憶、

また、立ち現れるものは具体的で意味を持たない何らかの気付きかも知れません。

 

制作する事と、作品を鑑賞する事は、同じく作品から見つめ返され、 生を投げかけられることだと感じています。

今回の企画がその様な機会に成れたらと思います。

 

 

■初回封入内容

作品タイトル《Superposition》 (厚紙に油彩、240×140×1㎜ )

 

■2回目封入内容

作品タイトル《Fingertip》 (厚紙に油彩、240×140×1㎜ )

 

■3回目封入内容

作品タイトル《Two eyes》 (厚紙に油彩、240×140×1㎜ )

 

■4回目封入内容

作品タイトル《Distance》 (厚紙に油彩、240×140×1㎜ )

 

 

今回のために制作した作品、4シリーズを1点ずつ4回に渡りお届け致します。

同じ構図のイメージを10ロット制作しますので、全てがユニークピースとなります。 裏に、作品タイトル・サインあり。

 

m@p premium
  • 初回お届け作品《Twilight 2002》 

  • 参考イメージ《Twilight 2002》

  • 参考イメージ:Photo by Mugyuda Hyogo

継続して制作している《Twilight》の新作絵画作品を1点ずつ4回に渡りお届けします。絵具を塗り重ねることで生じるノイズを手がかりに、そこに色や光の空間・時間を手繰り寄せる手法により、鑑賞者に遠く・近く、かつて・これからの風景を想像させます。


 

ロット:1

販売価格:¥250,800(税・送料込み)

 

継続して制作している「Twilight」の新作絵画作品を1点ずつ4回に渡りお届け致します。

裏に、作品タイトル・サインあり。

 

参考作品

作品タイトル《Twilight 2002》(木製パネルにキャンバス、膠、石膏、油彩、410×318×18㎜) 

作家情報

平野 泰子|Hirano Yasuko

近年はフラットな色面の抽象的な空間の作品に加え、
繰り返すことで特定の配置をもって現れてくるものを描いてる。
想いを馳せることは、距離やレイヤーを解体すること。
全ての現実が用意されているかのように、想いは隠れています。

 

https://hiranoyasuko.wixsite.com/biography

 

作家略歴

1985年 富山県生まれ
2007年 京都精華大学 芸術学部造形学科洋画専攻 卒業

おもな展覧会

2020年 個展「 YASUKO HIRANO EXHIBITION ” UNFOLD ROOM “ 」(stoop / 東京)
2018年 個展「不確かな地図」(CALM&PUNK GALLERY / 東京)
個展「呼びかけられる」(Gallery PARC / 京都)
2016年 「下町芸術祭 ウィズ・ペインター」(神戸市立地域人材支援センター / 兵庫)
「第30回ホルベインスカラシップ」 奨学生認定
2015年 「VOCA展 2015 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」(上野の森美術館 / 東京)
2014年 「WHEN THE CONTRASTS FADE AWAY」(PINE BROOKLYN / 大阪)
2013年 「隠れた形-影になる」(a-room / 京都)
個展「Twilight」(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2012年 「ARTIST FILE 04」(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2011年 「ARTIST FILE 03」(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
「贈り物」(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2010年 「ARTIST FILE 02」(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2009年 「ARTIST FILE 01」(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
個展「Twilight」(masayoshi suzuki gallery / 愛知)

 

 

個展「呼びかけられる」展示風景
個展「呼びかけられる」展示風景
個展「呼びかけられる」展示風景
個展「呼びかけられる」展示風景

個展「呼びかけられる」展示風景

(Gallery PARC / 京都)

《tree 》

《tree 》
2020
キャンバスに膠、石膏、油彩
45.5×38.0×1.7cm

《insert》

《insert》
2020
キャンバスに膠、石膏、油彩
53.0×45.5×1.7cm

《Stand on the edge》

《Stand on the edge》
2020
キャンバスに膠、石膏、油彩
53.0×45.5×1.7cm

《Twilight 2001》

《Twilight 2001》
2020
キャンバスに膠、石膏、油彩
72.7×60.6×2.7cm

《Pointing 1805》

《Pointing 1805》
2018
キャンバスに膠、石膏、油彩、
91.0×72.7×2.8cm

 

 

作家インタビュー

 

─ [m@p]meet @ post プロジェクトにお声掛けさせていただいた時、率直にどう思われましたか。

PARCらしいアイディアでどこもやっていないし、とても興味を持ちました。 日頃から展覧会と言うもの役割や在り方みたいなものを大切に思っているのだなと思いました。

 

 

─ 角2封筒というサイズ、4回に渡ってのお届けをどのように考えましたか。

サイズについては手に取りやすく、購入者として考えると暮らしに寄り添いやすくて良いなと思いました。 しかし、作り手としては4回に渡って作品をお届けすると言う内容だったので、正直どのようにしようか悩みました。手に取りやすい「商品」としての魅力も必要ですが、やはりPARCが考える、展覧会の在り方から派生した「未知のものに出会う」や、「商品」以上の作家として封じ込めるものをしなければならないなと。

 

 

─ 今回のために制作された4つのシリーズとこれまでのシリーズとはどのような関わりがありますか?

これまで抽象的な表現で、体験した事や、対象を留める事を描き実現してきましたが、今回は絵具を塗り重ねて行く行為の中で、手先から芽生えた意識のようなものにアクセスするドローイングを4つのシリーズに納めました。ここでの意識とは「心の中」と言うより、描く事や絵具などの接触によって現れてくる、それらと一体になる身体技法という感じです。簡単に言えば偶然性を頼りに新しい視点を獲得する事です。今回のシリーズでは、設定したロット分を制作するにあたり、同じ構図を繰り返し制作しましたが、繰り返すことで単なる同じものの反復ではなく、差異の出現や形を断片的に持ちだすきっかけを生み、一回的な現象に強度を持たせることが出来ないかと思って制作しました。ですので、これまでの延長であり、新たなアプローチであると言えます。

 


─ スタンダードは「厚紙に油彩」とありますが、普段から厚紙にもよく描かれますか。

厚紙は小さな作品を作るときに良く使っています。近年は、なるべく厚みが薄い支持体に描きたいと思い、油彩が耐えうる厚紙や木製パネルの中でも薄い厚み幅のものを使用してきました。厚紙は小さな作品を作るときに良く使っています。支持体を選ぶきっかけは感覚的なところからが多いですが、絵の持つイリュージョンと、あくまで絵なんだ、という両義性を持たせること、その軽さが作品に必要だったので厚紙を選んでいます。

 

 

─ プレミアムでは、継続して制作している《Twilight》の新作絵画作品を1点ずつ4回に渡ってお届けする、となっています。この「Twilight」シリーズについて少し教えてください。

2004年頃から主に風景画を描きはじめ、そこから継続した「見ること」を主旨としたしたシリーズです。ここでの「風景」とは「自然」であり、日常的に見る山や空、木々など自然物です。それらは、描き始めた当時の私にとって、制作場所から山や木々が近いこともあり身近で何気なく見つめられる対象でした。初期の頃は風景から視覚的な形を描いていましたが、徐々に形は無くなり一見すると一色の色面のみに見える作品を制作し発表するようになります。形が無くなった事は、「風景」を描こうと筆を走らせ対象を捉えようとした時、木の枝葉やその成り立ちを「描く」ことをすればするほど対象から遠ざかる感覚を得て形を捉えようとするにも、自身が持つ目を超えた身体を通して一体となる現象がどうしても捉えられておらず、「絵」として収めることでは敵わなかった事や、「風景」と向き合った時、自身のちっぽけさや、描ききることなど到底出来ないと感じたことが理由です。自分の見て感じた対象が安易に「絵」として出来上がってしまうことに抵抗を感じたとともに、表現することについてより考え始めたきっかけとなっています。
現在は「風景」を直接見に行ってスケッチすることも少なくなり、持つイメージを手放し絵具を塗り重ねる行為の中に、対話を作り、そのレイヤーが空間として立ち上がるような作品を制作しています。制作手順としては三原色を主に使用し、各色ごとに塗り重ねて行き、塗り重ねることで色が混ざり、層になることで色が影響し合う。その色調の中に、色の強弱が生まれ光を感じ、「色」や 「形」を視ることができる。その現象は、暗闇に視界が包まれたときに、眼が徐々に慣れていき 認識して行くことに似ており、「見る」ことを一方向からのプロセスではなく能動的に作りあげることが私にとって重要になりました。 作品タイトル「Twilight」は、夕刻の沈んだ時、木々や森、建物が影となり空の方が明るくなる時間帯、狭間にある時間帯を指します。その時間帯を良く描いていたことも由来の一つですし、Twilightの意味に「黄昏」という意味もあり、作品が黄昏時のように鑑賞者にとっても見つめられるものになればと思いました。

 

 

─ 作品の素材として膠や石膏なども使われていますが、その理由は。

それらの素材を使う意図は、先の質問への回答と同じく、薄くて、平坦な支持体を作る上で必要です。木製パネルの上に麻布のキャンバスを貼り、膠と石膏を混ぜたものを塗り、平坦にするため研磨したものに描きます。塗り重ねて行く描き方なので、キャンバスの布目が気になり出しこの方法に至りました。作品仕上がりが気に入っており、現在はこの方法で描いています。例えるとしたら、白いTシャツを吟味するような・・・・、質感、リブの太さ、など着て肌に触れるものを選ぶような感覚に似ていて、他人から見たら気づかない事のような感じです。

 

 

─ 事前にいただいたテキストに、「制作する事と、作品を鑑賞する事は、同じく作品から見つめ返され、 生を投げかけられることだと感じています。」とありました。その感覚は制作を始められた当初からあるのですか?

芸術活動を続けて行こうと思った当初からあるものです。大学時代に教わった柏原えつとむ先生から「文化は作家が作ったものでは無い。作品の鑑賞者が繋いだもの。作家が歴史を繋げてきたなんて大間違い。」といったことをおっしゃっていたことが大学を卒業しても残っています。解釈は少しずれるかもしれませんが、作品には作者の意図以上に、制作の時間や眼差しみたいなものが痕跡として留まっていると考えます。それは絵具のこんもりとしたマチエルだけではない物でも。作品からそれらを感じた時、どこにも消化しきれないような、作品から語られたにもかかわらず、自分から出たような予感のようなもの。それは作家が制作中にも、完成作品を前にした鑑賞者にも、あるのかなと思っています。

 

 

─ ほかの作家のプランで気になるものはありますか?

むらたちひろさんの制作過程にフォーカスしたスタンダードプランがいいなと思いました。そこから舟というイメージでのプロダクトも詩的でここから新たに始まるストーリーを彷彿とさせます。

 

 

 

 

空白