2017年10月10日〜11月5日

 

ヤマガミユキヒロ:air scape / location hunting 2017

 Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]は2017年8月15日をもって、これまでの京都 三条・御幸町から、四条・烏丸エリアの室町・六角に位置する新たなスペースに移転いたしました。

 その移転後初の展覧会として、2017年10月10日[火]から11月5日[日]まで、ヤマガミユキヒロによる個展「 air scape / location hunting 2017 」を開催いたします。本展は、ヤマガミの近年の取り組みをご覧いただくとともに、Gallery PARCの新たなスペースのお披露目を兼ねたものとなります。

 2000年に京都精華大学美術学部を卒業したヤマガミユキヒロ(1976年・大阪府生まれ)は、「キャンバス・プロジェクション」という独自の手法による作品を展開しています。その作品は、綿密なリサーチにより選び出したロケーションから、建築や構造物を鉛筆で丹念に描画した風景画(絵画)に、同一視点から撮影した風景(映像)をプロジェクターにより投影するものです。幾度も取材を重ねて撮影した朝昼夜や春夏秋冬の光と色彩の変化、流れる雲や行き交う人々などの「時の流れ」が重ねられたとき、ある一瞬を描きとどめたモノクロの世界にうつろう時間が流れはじめます。

 2003年よりこの手法による作品展開に取り組んでいるヤマガミは、これまでに東京・大阪・兵庫・京都などをはじめ、作品制作・発表の機会ごとに訪れた各地で、対象となるロケーションを選び出し、おもに大作として作品化してきました。しかし、それぞれの作品化にあたっては、現地で様々な場所を巡り、ドローイングを制作し、また実際にカメラを回してその場所の時間経過によるうつろいの様を観察するという、膨大なロケーション・ハンティングの段階があります。

 本展では、「location hunting 2017」として、2012年に発表したヤマガミの代表作のひとつでもある《 東京駅の眺望 》をはじめとする一連の「キャンバス・プロジェクション」作品に加え、各地を取材する中で制作したドローイングを含むおよそ25点を一堂に展示いたします。ひとつのテーマに集約されることのない風景の断片が集積され、プロジェクションによってそれぞれにうつろう時間が重ねられることで、個別の風景・個別の物語が「時間」によって繋がる体験を創出します。また、これは近年のヤマガミの活動にともなうロードムービー的な側面を持ったスピンオフ作品の展示であり、2015年でのGallery PARCでの展覧会「Noises,Crowds,and Silent Airs」や、2016年でのあまらぶアートラボ A-Labでの展覧会「まちの中の時間」で試みた展示のブラッシュアップバージョンとなります。
また、2階と4階を展示スペースとする新たなGallery PARCの構造を活かし、4階には「air scape」として《 六甲山からの眺望 》や《 Noises Crowds and Silent Airs 》など、「空の表情」に着目した過去作品を構成します。それぞれの作品(風景)が見せるうつろいを眺めるうち、いつしかそれらが「空」で繋がり、より大きな風景を想うことができるのではないでしょうか。

 10月13日[金]には、本展のオープニングと、スペースのお披露目を兼ねたレセプションパーティを予定しております。
 ご多忙のことと存じますが、ぜひ足をお運びいただくとともに、今後のGallery PARCの取り組みにも引き続きご注目ください。

ステートメント

時間とともに移ろい過ぎ去っていく目の前の風景を写真やビデオでスケッチしてみると、普段見落としていた景色と出会います。これは非現実的な一コマではなく、紛れもなく現実の風景です。カメラでサンプリングされた景色には、はじまりと終わりは無く、脚本やストーリーもありません。そこにあるのは、ある瞬間に訪れた風景の断片だけなのです。その断片を重ね、混ぜ合わせ、再び繋がった景色は、鑑賞時に記憶や想像の追記がされ、ひとつの風景画へと、完成していくのです。


ヤマガミ ユキヒロ




作家略歴

ヤマガミユキヒロ|YAMAGAMI Yukihiro

http://www.yamagamiyukihiro.net/

1976年 大阪府生まれ
2000年 京都精華大学美術学部 卒業

主な展覧会

2017年 air scape/location hunting 2017/ Gallery PARC、京都
星空のすいぞくかん / 佐賀県庁展望ホール、佐賀
2016年 ロケーションハンティング / あまらぶアートラボ A-Lab、兵庫
土木展 / 21_21 DESIGN SIGHT、東京
Air Scapes / 札幌市資料館 SIAFラボ、札幌
2015年 まちの中の時間 / あまらぶアートラボ A-Lab、兵庫
Media Butterfly in有田2015 / 深川製磁本店、佐賀
たかさき発! 鉄道とアートの旅 / 高崎市美術館、群馬
Noises,Crowds,and Silent Airs / Gallery PARC、京都
テンプス・フーギット – 大山崎山荘とヤマガミユキヒロの視点 / アサヒビール大山崎山荘美術館、京都
2014年 林宗一郎×ヤマガミユキヒロ Noh Play/ Gallery PARC, 京都
Media Butterfly/ 香蘭社赤絵町工房, 佐賀
TARO賞の作家Ⅱ/ 川崎市岡本太郎美術館, 神奈川
窓の外、恋の旅。/風景と表現/ 芦屋市立美術博物館, 兵庫
あさごの森で光と影のピクニック/ あさご芸術の森美術館, 兵庫
伝統芸能バラエティーボックス/ 京都芸術センター, 京都
2013年 little trip / Gallery PARC, 京都
六甲ミーツ・アート芸術散歩2013 / 六甲山, 兵庫
すみだ川アートプロジェクト2013 / アサヒアートスクエア, 東京
re:framing-表情の空間- / 京都芸術センター, 京都
2012年 始発電車を待ちながら / 東京ステーションギャラリー, 東京
2011年 Sheltering Sky / Gallery PARC, 京都
multiple / プリンツ, 京都
2010年 Sampling Your Memory/ Gallery PARC, 京都
SleepWalking / neutron tokyo, 東京
not easily seen/ 此花メヂア, 大阪
TASTING ART EXHIBITION/ 阪急メンズ館, 大阪
2009年 SynchroniCity / neutron kyoto, 京都
Mirage / 同志社大学京田辺キャンパス, 京都
Art Osaka 2009 / 堂島ホテル, 大阪
2008年 第11回 岡本太郎現代芸術賞展 / 岡本太郎美術館, 川崎
2007年 LightScape / neutron gallery, 京都
Koshinaka Masahito + Yamagami Yukihiro / Café le baobab, 京都
2005年 新鋭選抜展2005 / 京都市文化博物館, 京都
NightWatch / gallery SOWAKA, 京都
2003年 Art Court Frontier 2003 / Art Court Gallery , 大阪
2001年 Mio 写真奨励賞 新作発表展 / 天王寺Mio, 大阪
2000年 Mio 写真奨励賞2000 / 天王寺Mio, 大阪
1999年 存在の表現 / gallery coco, 京都

舞台美術

2017年 noh play -TAMURA-|東アジア文化都市2017京都 開幕式典 (ロームシアター京都メインホール、京都)
2016年 noh play 2016|Traditional Trial~能、狂言プラス~ (札幌市教育文化会館、札幌)
2014年 noh play 2014|伝統芸能バラエティーボックス (京都芸術センター、京都)

受賞

2008年 第11回 岡本太郎現代芸術賞展 特別賞
2000年 Mio 写真奨励賞2000 優秀賞
 
作品画像

《location hunting 2015》
キャンバス・プロジェクション 2015
©Yamagami Yukihiro

 

 

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