Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2011年11月29日から12月11日まで、「Sheltering Sky:ヤマガミユキヒロ展」を開催いたします。
ペインティングをはじめ映像、写真、スケッチなどの様々なメディアによって日常の都市の風景を切り取り、再構成する作品を発表するヤマガミユキヒロ(1976~)は、その代表作といえる「キャンバスプロジェクション」のシリーズにおいて、2008年に「岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞するなど、これまでにも多方面からの高い評価を得ています。
ある都市の風景を同一視点から絵画と映像という異なる技法で切り取り、再びひとつのキャンバスの上に重ね合わせた「キャンバスプロジェクション」作品には、日常の都市空間に見られる様々な「うつろい」がサンプリング(撮影)され、絵画上にプロジェクション(投影)されることで、絵画空間内に実在と幻想が交錯した世界を出現させます。
昨年のPARCでの個展「Sampling Your Memory」において発表した《Sleep Walking》では、油絵の具で描かれた「無人」の銀座の街並に、「行き交う人々」「走る車のライト」「瞬くネオン看板」「刻々と変化する空」などの映像がプロジェクションされ、キャンバスの上に「時間」や「光」をも描き出した「見慣れた:見慣れない」世界を提示しました。
「Sheltering Sky:ヤマガミユキヒロ展」ではそのキャンバスプロジェクションの新作として、鉛筆で描かれたモノクロのタブローによる作品《Sheltering Sky》、《SleepWalking》、《AirScapes》の3点を発表いたします。 渋谷・銀座・京都。色彩情報を削ぎ落としたそれぞれの見慣れた風景には、ビルの隙間に覗く空の豊かな色彩、人や車の行き交い、瞬くネオンサインなどが織りなす様々な「都市の表情」が描き出され、そのうつろいの中に時に神秘的な瞬間をも垣間見ることが出来ます。
本展ではそれらの新作を中心に、ジークレープリントによる《Sheltering Sky (edition work)》や、空の色に着目した《LightScape/AirPiece》などもあわせて展示いたします。
また、 また、 2011年12月3日(土)17:00~、ゲストに小林剛(関西大学文学部英米文化専修准教授)氏をお招きして「アーティストトーク」を開催します。(無料・申込不要) 新作となる鉛筆画によるキャンバスプロジェクション作品3点への自作解説を中心に、小林氏とのトークによってヤマガミ作品の魅力に迫ります。あわせてご参加ください。
当然のように流れ、過ぎ去っていく都市の景色を写真やビデオなどでスケッチしてみると、普段見落としていた景色と出会います。しかしこれは非日常的な一コマではなく、紛れもなく日常的な都市の風景です。
サンプリングされた都市の印象の中には、驚くような美しい表情や、神秘的な表情、ぞっとするような瞬間があります。 その中で出会う興味深い瞬間を、僕は掬い上げて「都市の印象」を表現しています。 僕の作品の多くは、油彩やアクリルで描画したタブローにレイヤーを重ねるように、プロジェクターによって同一視点の映像を投影したものです。描くモチーフは交通量の多い都市の交差点や、プラットホームなど、いわゆる「都会の風景」です。そしてそれらは時間と共に表情を変えてゆきます。
映像はプロジェクターで映写すれば絵画にも合成する事が出来ます。これにより、絵画に時間や光そのものを描画させることが出来るのです。 都市の印象を表現するには、建物や道路など、常にそこにあるものと、時間と共に変化する移り変わるものの描写とが非常に重要な要素なのです。
展覧会について
本展ではキャンバスプロジェクション作品の新作3点を発表します。
初めての試みとして、タブローを鉛筆によってモノクロで描写し、そこに色鮮やかな都市の印象をプロジェクションしています。
そのメイン作品ともなる《Sheltering Sky》は縦長のキャンバスプロジェクション作品で、モノクロームで描かれた街の大部分は、映像のほとんど入らないモノクロのままですが、その上空には時間や天気による 様々な空がヴィヴィットに描き出されます。
都市の風景の中から人目を惹く看板や、標識などのカラー情報を一旦消したときに、モノクロのビルの隙間から晴天、曇天、雨雲、夕焼けなど空の色彩豊かで神秘的な表情が現れるのです。
ヤマガミユキヒロ
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Sheltering Sky |
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SleepWalking |
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Sheltering Sky (edition work) |
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LightScape/AirPiece |
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【関連イベント:アーティスト・トーク】
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