Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2011年12月13日から12月25日まで、「藤川怜子:スマとわたしの7ヶ月」展を開催いたします。
藤川怜子(1983~)は、2003年に京都精華大学芸術学部立体造形分野に入学して以降、積極的に発表に取り組み、2007年の同大学卒業以降も様々な場所で、幅広く作品発表を続けています。
おもに鉄などの素材を用い、その特質を活かした彫刻的な作品から、シリコンや発光ダイオードによって空間全体を作品化するインスタレーションなど、その発表形態・内容は多岐に渡ります。
「作品制作は、私にとって人生の挿絵を描いているようであり、人生の一部から外すことのできないライフワークのひとつです。」と藤川の語るように、その作品はいずれも自身の経験や内面に深く切り込み、近年では「人の生や死」を大きなテーマとして、そこに向き合うとともに、場所や素材と向き合うなかで、確固たる表現へと展開していく過程を辿ってきました。
本展は藤川の過去の恋愛、「スマ(彼)とわたし(藤川)の(個人的な)7ケ月」の間にあった、「最後まで本心を見せて向き合うことが出来ず、恋に恋して、そして終わってしまった恋愛」の感動や記憶を基にした作品で構成されています。
子供サイズで制作された白いドレスは、お菓子や化粧品で装飾され、一見するととてもカラフルで華やいだ印象を与えます。
しかし藤川は「お菓子は甘く儚いもの、永遠には保存できない朽ち果てていく存在」として、化粧品は「自分をより良く見せる(素顔や本心を隠してしまう)アイテムとして扱い、実際に長期間にわたって制作されてきた7着ものドレスには、制作時期の違いによる劣化や風化が見られます。
藤川にとって、本展はそのテーマや素材、作品の構築に至るまで、これまでとは異なるアプローチで取り組むものとなります。
また、それは今後の作家としての活動にとっても転換点となるものではないでしょうか。
自身の実体験を元に制作を続けています。
作品制作は、私にとって人生の挿絵を描いているようであり、人生の一部から外すことのできないライフワークのひとつです。
この数年間、おもに人の生や死について制作を続けてきましたが、昨年、久しぶりに誰かを好きになり、世界がとても華やいだ気持ちになりました。
残念ながら彼は去っていきましたが、そのときの感動や記憶、感情を作品で表現したいと思います。
【作品について】子どもサイズで制作された裾の長い白いドレスで、初恋にも近い純真な心を表現していきます。また、そのスカートにはお菓子や化粧品で、私の感じた世界を具現化していきます。
お菓子は甘く儚いもの、永遠には保存できない朽ち果てていく存在として。
化粧品は自分をよりよく見せるのアイテムですが、素顔や本心を隠してしまう偽物の存在として。 最後まで本心を見せて向き合うことのできず、恋に恋してしまったようなスマ(彼)と私の個人的な7ケ月間を作品で展開していきたいと思います。
藤川 怜子
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「セナがつぶやく、サコがつぶやく」 「再見蝶のゆくえ」 「彼のかけら、蝶のゆくえ」 「みえるもの、みえないもの」 「夜光虫」 |