2019年6月14日〜6月30日
明楽和記:Playground
Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2014年より公募展『Gallery PARC Art Competition』を毎年開催し、例年7月に採択プランによる展覧会を実施しています。また、2018年より公募展開催前にあたる6月に、これまでの公募展採択アーティストより1名を選抜して個展(2018年は、2014年の採択アーティスト・むらたちひろ「internal works / 境界の渉り」展)を開催するフレームを設置し、PARCでの公募展をきっかけとして、それぞれのアーティストの「今」の活動や展開を眼差す機会としています。
本年も7月5日(金)より2名・1組による3つの展覧会を連続開催いたしますが、それに先立つ2019年6月14日(金)から6月30日(日)まで、2015年の採択アーティストである明楽和記による個展「Playground」を開催いたします。
明楽和記(あきら・かずき/1988年・和歌山生まれ)は、2011年に成安造形大学 構想表現クラスを卒業、2012年に同大学今井祝雄研究室を修了後、精力的に個展を開催する一方、「ART COURT FRONTIER#12」(ART COURT GALLERY・大阪 / 2014年)や「六甲ミーツ・アート2016」(六甲山・兵庫 / 2016年)、「KAVCアートジャック」(神戸アートビレッジセンター・兵庫 / 2018)などのグループ展などでの発表にも積極的に取り組んでいます。
『私は色を置くこと、与えることで作品を成立させています。』とする明楽は、絵画を「ある場に色が置かれている状態」と解釈しています。この「ある場」とはいわば支持体として、キャンバスや壁、窓や地面などを含み、「色を置く」は絵の具や塗料によるものだけでなく、私たちの目に馴染んだ既製品(付箋、風船や電球、ビー玉やスーパーボールなど)などをも含みます。塗装されて壁にかけられた時計、床にドリッピングされた大量のビー玉、部屋を跳ね回りながら空間にストロークを描くスーパーボール、ギャラリー空間を強引に白色で塗り込めることでつくられた無の象徴(ホワイトキューブ)。これらは「絵画」を解釈・分解した上で、そこから色(要素)を抽出・選択し、支持体(場)を見定め、(再)配置する行為であり、これは明楽にとっての絵画制作と捉えることができます。
要素・場・意味を観察し、そこにある認識や意味を軽妙にズラす、あるいは異なる規則によって並び替え、置き換えることで作品を成立させる明楽は、本展「Playground」において、PARCを「公園」と置き替え、展示空間と公園や道などとの差を排除してみることで、『作品』の在り方や成立条件を考察するものです。また、本展ではその思考を絵画だけでなく彫刻へと広げ、それぞれの境界や関係性へと眼差しを向けます。
展覧会について
「遊具を彫刻に、猫を絵画に。」
魔法のようですが、これらの異なるものを地続きにしようと試みたとき、頭の中にそれぞれの領域を隔てる壁があるかもしれません。
しかし、その壁を乗り越える、もしくは消し去さることができれば、公園にはカラフルな彫刻が並び、向こうの方で絵画が寝ている、何気ない日常の中に作品のある場が広がることになります。
今回の個展は、公園と遊具をテーマに展覧会を構成し、壁を乗り越えるハシゴ、もしくは壁を壊すドリルのような作品を中心に展示します。
明楽 和記
作家略歴
明楽 和記|Akira Kazuki
http://akira.xii.jp
| 1988年 |
和歌山生まれ |
| 2011年 |
成安造形大学 構想表現クラス 卒業 |
| 2012年 |
成安造形大学 今井祝雄研究室 修了 |
主な個展
| 2018年 |
AKIRA (Gallery Ami-Kanoko / 大阪) |
| 2016年 |
明楽和記展 (CAS / 大阪) |
| 60 (GALERIE ASHIYA SHULE / 兵庫) |
| 2015年 |
絵画の描き方 (Gallery 1963 / 大阪) |
| 2013年 |
farbraum (gallerie weissraum Kyoto / 京都) |
| Double Walking (CASE / 京都) |
| 16LB (Gallery Ort Project / 京都) |
| 2012年 |
Touch & Stroke (KUNST ARZT / 京都) |
主なグループ展
| 2018年 |
ゆき (Gallery Ami-Kanoko / 大阪) |
| KAVC アートジャック (神戸アートヴィレッジセンター / 兵庫) |
| 2017年 |
Marcel Duchamp に (CAS / 大阪) |
| 2016年 |
赤 (CAS / 大阪) |
| 六甲ミーツ・アート 2016 (六甲山 / 兵庫) |
| 2014年 |
ART COURT FRONTIER #12 (ART COURT Gallery / 大阪) |
| 2013年 |
Art Shower 2013 (海岸通りギャラリーCASO / 大阪) |
| アート亀山2013 (亀山商店街 / 三重) |
| 秋の小旅行 (窯横カフェ / 愛知) |
| 2012年 |
成安造形大学卒業制作展 (京都市美術館) |
| TURNER AWARD (東京, 大阪, 仙台, 札幌に巡回) |
| Art Shower 2012 (海岸通りギャラリーCASO / 大阪) |
| 2011年 |
成安造形大学卒業制作展 (京都市美術館) |
| 構想表現: 四人の方法 展 (楓ギャラリー / 大阪) |
| See Here! (Gallery PARC / 京都) |
| 湖族の郷アートプロジェクト (大津市堅田地域 / 滋賀) |
| 2013年 |
町家びらき展 (八幡酒蔵工房 / 滋賀) |
| 湖族の郷アートプロジェクト (大津市堅田地域 / 滋賀) |
| 2009年 |
町家全開展 (ボーダレス・アートミュージアムNO-MA / 滋賀) |
| 湖族の郷アートプロジェクト (大津市堅田地域 / 滋賀) |
企画・キュレーション
| 2012年 |
春名祐麻 展 (キュレーション) |
| 2009年 |
湖族の郷アートプロジェクト (企画・運営 学生代表) |
受賞
| 2012年 |
ターナーアワード2012「入選」 |
| 2011年 |
成安造形大学卒業制作展「最優秀賞」 |
ワークショップ
| 2011年 |
13 painters (仰木の里東保育園、滋賀) |
| 2009年 |
101dogs (京都市勧業館 みやこめっせ、京都) |
コレクション
| 2016年 |
painting of three colors (Hair & Facial U・和歌山) |
| 2012年 |
An Infinite Stroke[Super Ball] (東川町・北海道) |
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《Melting Painting》
2019
キャンバス、アイスクリーム
©AKIRA KAZUKI
《6,000 marbles》
2013
ビー玉
©AKIRA KAZUKI
《12 colors》
2016
絵画
©AKIRA KAZUKI
個展「AKIRA」会場風景
2018
Gallery Ami-Kanoko(大阪)
©AKIRA KAZUKI
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