Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2015年6月30日から8月9日にかけて「Gallery PARC Art Competition 2015」として3つの展覧会を連続開催いたします。
本展は様々なクリエイション活動へのサポートの一環として、広く展覧会企画を公募し、審査により採択された3名(組)のプランを実施するコンペティション「Gallery PARC Art Competition 2015」に応募された34のプランから、平田剛志(京都国立近代美術館研究補佐員)、山本麻友美(京都芸術センタープログラムディレクター)の2名の審査員を交えた厳正な審査を経て採択された田中秀介、中尾美園、明楽和記の3名による展覧会を実施するものです。ギャラリー・パルクではこのコンペティションに2014年から取り組み、本コンペティションは昨年に続き2回目の開催となります。
2015年7月31日(金)から8月9日(日)にかけて、その#03として、「明楽和記:白」を開催いたします。
2011年に成安造形大学 構想表現クラスを卒業、2012年に同大学 今井祝雄研究室を修了した明楽和記(あきら・かずき/1988年・和歌山生まれ)は、これまで個展・グループ展などによる発表を続け、2014年には「ART COURT FRONTIER#12」(ART COURT GALLERY・大阪)に出品するなど、徐々に活動の場を広げています。
『私は色を置くこと、与えることで作品を成立させています。』とする明楽は、これまで場や物が持つ特性を見極めながら、それらに関わる際に、色彩という要素に着目した作品を多く発表しています。たとえば既製品の時計は彩色され、あからさまに機能を隠されたそれは単なる色彩として壁面に配置されます。色とりどりのスーパーボールは空間に跳ね回ってストロークを描き続け、大量のビー玉は床にドリッピングとして転がり、ランダムに選択された色を木目に沿って与えられた角材は空間に絵画を存在させます。また、いわゆるホワイトキューブギャラリーの天井は浮かびあがるカラフルな風船により満たされる。
絵筆を持たずに絵画に取り組み、彫刻刀を持たずに彫刻を出現させ、楽器を持たずに音楽を奏でるかのような明楽のアプローチは、一見して色彩によるインスタレーションとして回収される点も多いかもしれませんが、本質的にそれは「絵画」を解釈・分解し、その諸原的要素を抽出し、必然性の中に放つ行為とも呼べるもので、支持体としての空間の特性を観察し、捉えたものを描き出すための行為に他なりません。
本展「白」で見せる明楽の取り組みは、ギャラリー・パルクをホワイトキューブ化するというシンプルなものです。これは多くの要素が混在するパルクの特性に対し「白」という色彩による描画を試みる行為でもあり、美術の制度において「観るべきものが不在の無」としての「白」による空間を提示することで、鑑賞者に「観る」という行為と意味を能動的に迫ります。
尚、本展は7月31日(金)スタートによる変則的な会期設定となる点、ご注意いただければ幸いです。