Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2019年1月18日(金)から2月3日(日)まで、京都精華大学現代アートプロジェクト実行委員会の主催による[星を見上げるパイ −想像と行為のその先]を開催いたします。
本展はGallery PARCの会場提供による大学協力展として、京都精華大学「現代アートプロジェクト演習4」(キュレーションの実践を行う授業)の受講生が企画・運営する展覧会であり、2016年の「西山美なコ・川内理香子 stereotypical」展、2017年の「佐藤雅晴・小出麻代 empty park」に続く3回目の開催となります。
弁当工場での作業経験をもとに、独自の技術で本物の食材を思わせる樹脂粘土製の造形作品を制作する札本彩子(ふだもと・あやこ / 2014年京都精華大学芸術学部造形学科卒業)は、いかにも食欲をそそる食品サンプルとは異なり、過剰ともいえる集積や連続、妄想的な生々しさは見る者を圧倒し、「食べる」という行為が引き出す想像の力を体感させる。
身近な素材にキャラクターなどの具体的な形や意味を与えて再構成し、インスタレーションへと発展させた作風を得意とする祐源紘史(ゆうげん・ひろふみ / 2006年 広島市立大学大学院芸術学研究科造形計画修了)は、近年に鶏の骨などの残骸を使用して、食に言及した作品を発表している。
本展は「人間と食との関係を問う」をキーワードに、年代もキャリアも異なるこの2名の作家による二人展となります。
会期初日の1月18日(金)には両名によるアーティスト・トークを、会期最終日には「星を見上げるパイ 試食会」を開催いたします。
どちらにもぜひご参加ください。
イギリスの伝統料理である「星を見上げるパイ」を初めて見たとき、人はどう思うだろう。シュールな見た目であるにも関わらず、それが伝統料理であることを知ったとき、心がくすぐられるのではないだろうか。よく大人は、本能の赴くまま食べ物と戯れる子供に「ご飯で遊ばない」と叱る一方で、親自身も時に子供のためにキャラ弁をこしらえる。本展では、私たちの身近な食の背景にあるユーモラスかつグロテスクな一面と、そこから垣間見える人間の欲望や創造性を改めて見直す。
札本彩子は独自に編み出した技法で食品サンプルを思わせる彫刻作品を手がける。樹脂粘土を使ってひとつひとつ作られた食品そっくりの造形物は、鑑賞者に食の大量消費や人間の欲、利己性について考えさせる。
祐源紘史は、フライドチキンの骨を使った作品などを通じて、人間の生と死について言及する。食べるという行為が作品の制作過程に挟まることによって、生に隣接する死がより生々しく浮かび上がる。
一見ユーモアに溢れていたり、難解に思われがちな作品も、その裏には我々自身に直結するテーマが見え隠れする。
デニッシュの製造販売を手がけるグランマーブルが運営するギャラリー・パルクにおいて、人間と食との関係を問う二作家の作品が、鑑賞者自身の価値観をときほぐし、新たな世界観へと導く。
主催者
関連イベント 予約不要・参加無料
< アーティスト・トーク :札本彩子 × 祐源紘史>
2019年1月18日[金] 18:30〜19:30
< 「 星を見上げるパイ 」試食会 >
2019年2月3日[日] 17:00〜18:00 ※先着15名
【主 催】
京都精華大学 現代アートプロジェクト実行委員会
https://m.facebook.com/seikaartproject/
【企 画】
京都精華大学「現代アートプロジェクト演習4」(キュレーションの実践を行う授業)の受講生
芦田 依那、岡崎 和佳奈、新宮 歩佳、柴垣 めぐみ、安井 響栄、長野 初美、坂本 一登、井上 俊介
【監 修】
吉岡 恵美子(京都精華大学芸術学部教員)
【デザイン】
井上みなみ
【協 力】
Gallery PARC
出展作家略歴
札本 彩子|Fudamoto Ayako
1991年 山口県宇部市生まれ 2014年 京都精華大学芸術学部造形学科卒業 主な展覧会
2018年 DOTS 2018(Galeria Punto/兵庫) 2017年 個展 ALLNIGHT HAPS 2017前期「日々のたくわえ」#4 last night meal(HAPS/京都) 京都府新鋭選抜展2017(京都文化博物館/京都) 彫刻tomorrow 6大学推薦 若手の饗宴(ギャラリーマロニエ/京都) ウォーホル美術/Warhol Art (KUNST ARZT/京都) 2016年 個展「inside」(KUNST ARZT/京都) LINK展14 Reasonable Anger 形ある怒り(京都市美術館/京都) ワークショップ 夏の美術室 ほんものそっくり?おいしいからあげをつくろう!(ときわ湖水ホール/山口) 2015年 what is trash?―アイ、ヒト、アート(元立誠小学校/京都) 2014年 京都精華大学卒業制作展(京都市美術館/京都) 2013年 S(元立誠小学校/京都)
祐源 紘史|Yugen Hirofumi
1979年 岡山県生まれ 2004年 広島市立大学芸術学部デザイン工芸学科卒業 2004-05年 広島市立大学芸術学部デザイン工芸学科卒業 2006年 広島市立大学大学院芸術学研究科造形計画修了 主な展覧会
2018年 Hiroshima Art Intersection(ギャラリー交差611/広島) かがわ・山なみ芸術祭2018 AYAGAWA(綾川町/香川) 第8回公募新鋭作家展 二次審査(川口市立アートギャラリー・アトリア/埼玉) 2017年 個展 GHOST IN THE CELLAR(山中酒店/広島) 2016年 ゼロダテ美術展2016十周年記念展(大館食品デパート/秋田) かがわ・山なみ芸術祭2016(香川) MINIFESTA #2(Atelier Suterena/ウィーン) たんけん!アートジャングル(はつかいち美術ギャラリー/広島) 2015年 個展 PLEASE EAT ME(アートスペース油亀/岡山) kristallin #23 Minifesta(Atelierhaus Salzamt/リンツ) 美術食堂(ART SPACE ZERO-ONE/大阪) 2013年 個展 最初の食事が死の始めである(gallery t/東京) アラフドアートアニュアル(土湯温泉町/福島) 2012年 パークビルストリートギャラリー(広島) 衣・食・住 ソウル–広島(西京大学/ソウル) 2011年 箱 しまう はこぶ おくる展(生活工房ギャラリー、三軒茶屋・キャロットタワー3F/東京) 現代の造形-Life&Art-「半農半アート-水ありて-」(東広島市美術館) 2010年 広島アートプロジェクト2010、HiroshimART展(広島) ゼロダテ/大館展 2010(大館商店街/秋田) 食と現代美術 part6(BankART1929/横浜) 2009年 広島アートプロジェクト2009 「いざ、船内探検!吉宝丸」展(広島) 2008年 広島アートプロジェクト2008、旧中工場アートプロジェクト2「汽水域」展(広島) ゲンビどこでも企画公募(広島市現代美術館) 2007年 旧中工場アートプロジェクト「ゴミがアートになる!超高品質なホコリ」展(広島) 2006年 第2回北村西望生誕地現代彫刻プロジェクト「FROMLIFE」(長崎)