2011年6月7日〜6月19日

 

山本雄教:「し・てん」

Gallery PARCでは、京都の文化・創造活動の更なる活性化への支援のひとつとして、 若いアーティストに発表の機会を提供し、未知数の表現と多くの皆様との接点となるべく取り組みを続けています。

この度、美術家・山本雄教による作品展「し・てん:山本雄教展」を開催いたします。

山本雄教(やまもと・ゆうきょう 京都・1988~)は、成安造形大学日本画クラスを卒業後、2011年より京都造形芸術大学大学院美術表現専攻日本画領域に在籍しながら、日本画の画材・技法だけにとらわれない作品制作を続けています。
一見すると霧の立ちこめる竹薮のようにも見える【1】《どこへ行く-竹林図的図-》は、よく眼を凝らせば「交差する点字ブロック」が無数に描かれ、また幾何学模様のような【3】《system》は、画面を無数の「エスカレーター」が隙間無く埋め尽くしています。
「対象は、普段とは違う姿に転じていく。それは別物になっていくわけではなく、普段見えていない面が見えたり、ある面が強調されたものである。その結果、どういうものが生まれるのか。」と語る通り、山本の取り上げる「点字ブロック」や「エスカレーター」、
「電柱」や「テレビモニター」などのモチーフは、いずれも我々が日常に目にする対象ばかりですが、それらが姿はそのままに、すこしの視点の転換により描かれることで、そこに違和感や曖昧さに満ちた見慣れない世界がつくり出されます。
本展では、5mを超える《どこへ行く-竹林図的図-》や、【4】《inside=outside》、【5】《outside=inside》などの作品に加え、PARCの展示空間を活かした新作を含むおよそ6点により構成します。

山本の描き出す、見慣れた風景・見慣れない光景をお楽しみください。

ステートメント

 

日常の中で、何気なく見過ごしているもの。
認識はしていても、当たり前すぎて日々の中に埋もれているもの。
そういったものの存在にふと気づかされ、意識する瞬間がある。
それはまるで新しい出会いのような、新鮮な感覚である。
それまでは景色の一部でしかなかった対象に、
気づいた瞬間から違和感のようなものが生まれる。
そしてそれは、自分自身の日々の生活の中の、
言葉に出来ない違和感に重なっていく。
それらを平面上に描くことで、その違和感は形となっていく。
対象は、普段とは違う姿に転じていく。
それは別物になっていくわけではなく、
普段見えていない面が見えたり、ある面が強調されたものである。
その結果、どういうものが生まれるのか。
私自身が楽しみにし、制作している。


山本雄教 

作家略歴

山本雄教|Yamamoto Yukyo          

1988年 京都生まれ
2010年 成安造形大学 日本画クラス 卒業
2011年 成安造形大学 研究生 修了
2013年 京都造形芸術大学大学院修士課程ペインティング領域 修了

個展

2010年 「連続していく対象」(ギャラリーはねうさぎ/京都)
「米騒動」(成安造形大学コンテンポラリーギャラリー/滋賀)
2011年 「どこへ行く」(ギャラリーはねうさぎ/京都)
「し・てん」(gallery PARC/京都)

おもなグループ展

2007年 「今-toki-展」(gallery maronie/京都'08,'09,'10,'11,'12)
2009年 「HOPEWORK」(ギャラリーCASO/大阪)
2010年 「I♡あめりか」(ギャラリーはねうさぎ/京都)
「第2回Kyoto Current」(京都市美術館別館・高島屋京都店)
「-輪-成安造形大学日本画クラスグループ展」(むろまちアートコート/京都)
2011年 「K2展vol.4」(京都市美術館別館'12,'13)
「画心展vol.8」(むろまちアートコート/京都'12)
「表面張力」(ARTZONE/京都)
「ZOU-日本画or Not-」(ギャラリーCASO/大阪)
「十一の海」(SPACE NIO/東京)
「黎明展」(ギャラリーi/京都)
2012年 「日本画家のオブジェ展」(gallery maronie/京都)
「画心展selection vol.2」(佐藤美術館/東京、康耀堂美術館/長野)
「fitting room」(Gallery Ort Project/京都)
「SPURT2012」(Galerie Aube/京都)
「紙技百藝2012」(雅景錐/京都、時折/名古屋、HIGURE17-15 cas/東京)
「ZOU-日本の絵-」(gallery maronie/京都)
「ASIA&RICE 2012」(ソリアートセンター/韓国チョンジュ)
「現代アート展」(大津百町館/滋賀)
2013年 「贈展」(ギャラリー恵風/京都)
「画心展selection vol.3」(佐藤美術館/東京)

賞歴

2010年 「成安造形大学卒業制作展」日本画賞 (京都市美術館)
2012年 「京都府美術工芸新鋭展 2012京都美術・工芸ビエンナーレ」入選 (京都文化博物館)
「ART AWARD NEXT2012 Vol.2」審査員賞 (東美アートフォーラム/東京)
「公募 日本の絵画2012」入選 (永井画廊/東京)
2013年 「京都府美術工芸新鋭展 2012京都美術・工芸ビエンナーレ」公募部門大賞(京都文化博物館)
「美術新人賞デビュー2013」準グランプリ(ギャラリー和田・フジヰ画廊/東京)
 
作品画像

米と箸
2012年 125×184cm
鳥の子紙、パール顔料、水干絵具、墨

作品画像

どこへ行く-竹林図的図-
2011年 180×582cm
鳥の子紙、墨、鉛筆、ボールペン
「し・てん」@Gallery PARC

作品画像

golden blocks
2011年 278×185.5cm
鳥の子紙、洋箔、墨
「し・てん」@Gallery PARC

作品画像

(左から)
悲しむ男 翻弄される男 微笑む男
2013年
(左から)162×130cm、280×224cm、130×162cm
高知麻紙、アルミ箔、鉛筆、一円玉
「2012年度京都造形芸術大学大学院修了展」

 

空白