Gallery PARCでは、京都の文化・創造活動の更なる活性化への支援のひとつとして、 若いアーティストに発表の機会を提供し、未知数の表現と多くの皆様との接点となるべく取り組みを続けています。
この度は、美術作家・武田梨沙による「neither truth nor fiction」展を開催いたします。 2010年に成安造形大学・テキスタイルアートクラスを卒業、現在は同大学にテキスタイルアートクラス研究生として在籍する武田梨沙(たけだ・りさ 1987〜)は、これまでおもに「織り」による作品を制作しています。
「形状は自然と生まれた。織りと素材が互いに融合し、彼らが願う姿を私が生み出す」と語る武田は、糸を平面に、平面を立体に織り上げる過程で、その素材と向き合いながら、自然とあるべきフォルムを見つけ出します。また、たとえばポリプロピレンと絹など、丹念に織り込まれた糸そのものが持つ素材感は、自然と全体に反映しながらも、そこに新たな「質感」を生み出しています。
鑑賞者は、全体を眺め、部分に目を凝らし、時にその裏側に視点を移動させることで、「織り」によって作品が併せ持つ、様々な表情を感じることができるのではないでしょうか。 本展では、武田の新作とともに、大型の織り作品《Peeping Through》、《melting cloth》、平織りのタペストリー作品《Point of View》を、ギャラリー空間に合わせて展示いたします。
糸のつやのない鈍い印象、染色による発色の低さが嫌いだった。
織りは糸状、紐や短冊のような単純な線のものであれば何でも織れる。
ただ織り込む素材を自分が求める質感へと変えるだけにとどまらず、
織るという行為によってより私の望むもべきものへと近づいていく。また、織りをしていると、布の表裏に表情の違いがあることに気づく。
同じひとつのものからできているはずなのに、裏面には糸のはじまりと終わりが現れる。
その存在を度外視して、ただただ織りという行為に没頭していた自分が恥ずかしくなった。
その姿をなんとかして見せられる形にしたいと思った。 それが立体へ変貌するきっかけであった。形状は自然と生まれた。
織りと素材が互いに融合し、彼らが願う姿を私が生み出す。
ただそれだけのこと。
武田梨沙
彼女の作品は剛胆である。
テキスタイルが持つイメージからはほど遠い言葉であった。一見、それはやわらかく透明感を漂わせて眼前に現れる。
一枚の布から形成されていることすら感じさせないフォルムと質感を持って。決して素材に強要させることなく、ただ、あるべき姿へ誘うかのように、
そこには彼女によって支配された繊維の集合体が存在している。
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《melting form》 2011 《melting form》(部分) 2011 《melting cloth》 2010 《melting cloth》(部分) 2010 《Point of View》 2011 |
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