Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2017年7月4日から8月13日にかけて、2014年から毎年取り組んでいるコンペティション「Gallery PARC Art Competition」の2017年採択プランによる展覧会を開催いたします。
本展は様々なクリエイション活動へのサポートの一環として、広く展覧会企画を公募し、審査により採択された3名(組)のプランを実施するコンペティション「Gallery PARC Art Competition 2017」に応募された31のプランから、平田剛志(美術批評)、勝冶真美(京都芸術センタープログラムディレクター)の2名の審査員を交えた厳正な審査を経て採択された近藤洋平、松宮恵子、井上裕加里の3組による展覧会を連続開催するものです。
その♯01として、「近藤 洋平:whereabouts」を開催します。
行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。
世の中にある人とすみかと、またかくの如し。
(鴨長明「方丈記」より)本展では、鉄や鏡といった日常で見かける素材を水のイメージに重ねた作品をギャラリーに意識的に配置していきます。その行為によって生まれる変化は、とても微かなものかもしれません。しかしその変化は、鴨長明が記すように私たちの社会に通じるものであるのではないでしょうか。鑑賞者にとって「この世界の曖昧さや不安定さ」を再認識するきっかけを促すものになることを期待しています。
私たちの世界は、波打際が海と陸地の境界線を変化させるように、常にゆらいでいる。
そのゆらぎは、私たちに何をもたらすのか。
そのつかみ所のない境界が持つ意味を見つけていきたいと思う。
近藤 洋平