ギャラリー・パルクでは、2014年3月21日[金・祝]から4月6日[日]まで、木内貴志による約3年ぶりの個展「 続 木内貴志とその時代 ~さようならキウチさん~ 」を開催いたします。
1998年に成安造形大学洋画クラス研究生を修了した木内貴志(きうち・たかし/ 京都・1973~)は、その学生時代より「神戸アートアニュアル 96」(1996・神戸アートビレッジセンター)などのグループ展への参加をはじめ、1997年には初個展「木内貴志大回顧展」(1997・VOICEギャラ リー/京都)を開催、以後、関西を中心に数多くのグループ展や個展により発表を続けるとともに、アーティストランによるグループ展の参加・企 画なども積極的に手がけています。 これまで木内は「キウチズム」と自称する己の主義の確立を追求を標榜しつつ、絵画や立体、映像やパフォーマンスなど、手法や素材を限定する ことなく、表現目的に応じた多様な形態を作品として提示してきました。また、たとえば木内は社会や美術といった制度やコミュニティの中にある 矛盾や問題、その滑稽さなどを、あくまでも個人の興味や疑問、執着や妄想を膨らませた果ての作品によって指摘したりもします。それは個人の中 で練りに練られたシニカルな「ツッコミ」であったりしますが、同時にその多くは「駄洒落」「庶民」「ベタ」「自虐」といった香りを帯びた「ボケ」として も機能し、そこに鑑賞者のアクション(笑い、ツッコミ)を誘ったりもします。
この、いわば「ひとりボケツッコミ」とも呼べる独特のテイストは、初個展の「大回顧展」から以後の「キウチアニュアル2000」「キウチトリエンナーレ2004」「ポストキウチズム2011」など、木内のこれまでの活動・作品においてブレることなく貫かれており、かくいう本展も2000年の個展 「木内貴志とその時代~オイルショックからY2Kまで~」をメタ的に引き受けたタイトルを冠して開催されます。「さようならキウチさん」という思わせぶりなタイトルとして銘打たれた本展では、木内の新作を中心として構成されます。
また、本展と同時期に 大阪・Gallery wks.においては過去作のリミックス展示によって構成される「帰ってきたキウチさん」が開催されます。新作・旧作が一望できるこの機会は、木内貴志および「キウチズム」の幅広い展開をお楽しみいただける貴重な機会となるでしょう。同時にそれらの作品を概観した時、新 作・旧作といった区別が便宜上のものでしかないことを知り、そこに木内貴志および「キウチズム」の「ブレのなさ」をも見ることができるのではな いでしょうか。