Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2012年4月3日から15日まで、「かわいて、またぬれる:金サジ 個展」を開催いたします。
金 サジ(1981~・京都)は、この世界にある様々な「ものごと」に立ちどまり、確認し、向き合い、とどめるための手法の一つとして写真表現による作品を制作しています。
金 サジにとって写真を撮る行為は「会いに行く」という言葉に集約されています。自然や景色、人間や生き物・その営みなどを真正面から捉えた作品は、出会った対象に心と身体が動いた痕跡であるとともに、その記憶を対象から離れた後に呼び起こし、より深く対話をするためのアンカーであるともいえます。
本展では、これまでに金 サジが「会いに行った」様々な対象を、まっすぐに見据えた作品およそ15点とともに、自身の日々や周辺に目線を向けた200枚以上ものスナップ写真・テキスト・印刷物などによる構成をあわせて展示いたします。畏怖や厳粛さの中で息をひそめてシャッターを切ったかのような作品とは対照的に、ピントすら合わない距離感や身体の一部のようにブレたスナップは、偶然に「出会った」情景の中からまるで呼吸をするかのように切り取られたもののようです。
金 サジによって切り取られた「あまりに遠くて大きなもの・あまりに近くて気づかなかったもの」に目を向けるなかで、鑑賞者それぞれにとっての様々な出会いと対話が生まれるのではないでしょうか。
ずっとずっと昔から続いている、生の記憶。
生の記憶があるから、人は祈りを捧げたり、大自然を見て涙を流したりするのじゃないだろうか。
記憶にひっかかる彼らが目の前にあらわれたとき身体、こころ、両方に響くなにかがある。
初めて出会うはずなのに妙なリアリティを持つ彼ら。
自分の遺伝子の中にある生の記憶が彼らを覚えてるんだと思う。
地図をひくように撮った写真を見つめる。
自分が出会った記憶の中の彼らを手繰るということ。
生の記憶が自分に何を教えてくれているのか、知りたいと思ってる。
金 サジ
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