Competition
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プランタイトル「さぁ、とりつくろう。」

出展作家:粟坂萌子  
形式:個展(彫刻・インスタレーション)
開催:2020年 7月3日(金)~7月19日(日)

【ステートメント】
 全身を使って土と戯れ、型取ったその痕跡からは普段は目に見えない感情を感じる。
 見た目だけではわからないような身体の「中心」にある不定形で曖昧な形を求めて制作していく中で、一体「中心」とは自分の内側にあるのか外側にあるのかという疑問が生まれる。
 土のフォルムを見ながら、私がふとした時にいいと思う感情はどこからやってくるのだろうか。きっとこんな疑問も数年後には消えていき、新しい疑問が目の前に立ちはだかっている。この感情で、この身体で、この手で、今しかない魂を残そうとしている。

【展覧会プランのコンセプトやテーマ】
 今展は、フォルムを意識して「つくる」ということを「取り繕う」ことと仮定してフロアごとに展示を展開していく。「取り繕う」という言葉はポジティブな意味とネガティブな意味が存在する。①破れたところをちょっと直す。修繕をする。②外見だけ飾って,体裁をよくする。「人前を-・う」 ③身なりを整える。 この言葉の中には、私以外の人に見られているという意識が存在している。人は見られているから体を鍛え、美しい衣類を着用し、化粧をする。見せるために、私たちが元々持っているフォルムから変容すること。
 理想的な見た目や人格が人にはそれぞれに違う形であると思うが、私は自分自身の理想の形が日々変化していくその速度についていけていない。今日いい感じと思っていたものが明日には全くいい感じではなかったりする。感覚と認識のスピードにはズレが生じている。
 このズレの誤差を今回の展示では上階に登って行くにつれて、大きくしていく。私の無意識から生まれる形から、意識が加わり、つくろう=取り繕うとする行為を視覚化する。私たちが存在しているこの世界を私の身体を使ってストレートに映し出し、自分自身の理想のフォルムとはどんな形であるのか、付け加えたり、削ったり、離れたり、近づいたりしながら多面的に捉えてみる。生き生きと、とりつくろわれた作品を展示する。

【プラン採択・実施にあたってのコメント】
全フロアを使うつもりで出したプランですが、1フロアでの展示となってしまい、誠に悔しく思います。でも、採択していただいたことで作品や展覧会への実現に向け、多くの成長ができそうで、ワクワクが止まりません。 またこれまでは、大学で用意されてきた展覧会でしか出したことがなかったため、自由度が上がることへの期待と同時に不安を感じますが、恐れずに全てを出し切りたいです。展覧会の際は、是非見に来てください。

作家略歴

粟坂 萌子|Awasaka Moeko

1998年 岐阜県瑞浪市生まれ
2016年 岐阜県土岐商業高等学校卒業
2019年 2月~6月 プラハ工芸美術大学(チェコ)に交換留学
2020年  京都造形芸術大学美術工芸学科総合造形コース卒業
2020年 京都市立芸術大学大学院彫刻科入学予定

主な展覧会

2016年 2019年度京都造形芸術大学卒業展 (京都造形芸術大学 / 京都)
2019年 個展「吸って、吐いて、留めて、」(ギャラリーマロニエ / 京都)
アンチネマチック(ギャラリーマロニエ / 京都)
2018年 合同陶芸展( 京都精華大学ギャラリーフロール /京都 )

受 賞

2020年 京都造形芸術大学卒業展 学長賞
 
《世界の中心まで掘ったまったもんで》

《世界の中心まで掘ってまったもんで》
インスタレーションビュー
2020

 

《世界の中心まで掘ったまったもんで》

《世界の中心まで掘ったまったもんで》
2020
平面(FRP、塗料)

 

《世界の中心まで掘ったまったもんで》

《世界の中心まで掘ったまったもんで》
2020
円柱(FRP、塗料)
φ1112xH2440mm

 

《吸って、吐いて、留めて、》

《吸って、吐いて、留めて、》
インスタレーションビュー
2019

 

《おなかでこきゅうしている》

《おなかでこきゅうしている》
2018
磁器、LEDライト
W800xD200xH800mm

 
空白