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Exhibition info

Gallery PARC Art Competition 2015 #01

私はここにいて、あなたは何処かにいます。
田中 秀介

Tanaka Shusuke

2015.6.30. 〜 7.12.

Exhibition View

13 images

Statement

我々の暮らしはその土地の風土やそれに伴う環境により生活の基盤が出来ている。また、その基盤に基づき派生し、あふれるように存在する事物は、それらがその場所に即するように存在し、また即しているがために変哲もないと判断されるものになっている。言わば、これらは関心を持たずしても、無自覚的に承認してしまう存在である。
制作の発端は、これらの存在に関心を向ける事から始まる。
私にとって描く事は自覚的行為であり、又これらの存在を検証する術である。結果、その存在から先入観を解体し、その対象との新たな遭逢、認識を提示出来ればと考えています。

 

展覧会について

我々の暮らしはその土地の風土やそれに伴う環境により生活の基盤が出来ている。また、その基盤に基づき派生し、あふれるように存在する事物は、それらがその場所に即するように存在し、また即しているがために変哲もないと判断されるものになっている。言わば、これらは関心を持たずしても、無自覚的に承認してしまう存在である。
制作の発端は、これらの存在に関心を向ける事から始まる。
私にとって描く事は自覚的行為であり、又これらの存在を検証する術である。結果、その存在から先入観を解体し、その対象との新たな遭逢、認識を提示出来ればと考えています。

田中 秀介

About

 Gallery PARCでは、様々なクリエイション活動へのサポートの一環として、広く展覧会企画を公募し、審査により採択された3名(組)のプランを実施するコンペティションに取り組んでおります。昨年に引き続き2回目の実施となるGallery PARC Art Competition 2015 において、応募いただいた34のプランから、平田剛志(京都国立近代美術館研究補佐員)、山本麻友美(京都芸術センタープログラムディレクター)の2名の審査員を交えた厳正な審査を経て採択された田中秀介、中尾美園、明楽和記の3名による展覧会を連続で開催いたします。本展「田中秀介:私はここにいて、あなたは何処かにいます。」はその第一弾となります。


 田中秀介(たなか・しゅうすけ/1986年・和歌山生まれ)は、2009年に大阪芸術大学美術学科油画コースを卒業後、大阪・京都などで個展やグループ展を重ねるとともに、2014年には「シェル美術賞」や「トーキョーワンダーウォール」などへの入選を重ねるなど、精力的な活動を続けています。
 田中は『当たり前の様に過ごしている自分の生活を時間をかけて振り返り、描き出す事により 本来、人がもつ主観というものを見つめ直したい』として、私たちが日常の時の流れの中で無自覚的に承認してしまう存在、あるいは無関心として埒外に置かれている変哲のないものに関心を向け、その風景(scene)を絵画として描きだします。その多くは田中の極めて個人的な「記憶」としての絵画であるといえ、そこに私たちが共有できる具体的な風景は無いといって良いでしょう。自身が気に留めた何かを描く行為は、田中にとって自らの主観や認識を自覚的になぞるところからはじまりますが、言い換えればそれは、なぜ自分がそこを気に留めたのかを知るための好奇心に満ちたプロセスであるとも思えます。また、そうして掴まえた主観や認識は、絵画として色彩やストロークに置き換える行為のなかで次第に記憶や記憶ちがい、想像、妄想、空想などが綯い交ぜとなり、全体の構造や個々の遠近感にどこか歪みを持った画面へと転じていきます。
 ここにおいて鑑賞者は、常に曖昧な認識と視覚のなかで、目の前の絵画を整合させ、そこに何かを見ようとするうち、いつしか自らの主観や認識を自覚的になぞる行為を必要とされます。そして画面に広がる風景を目にするうちに、そこに茫漠とした場面(scene)を見る・思い出す・想像する瞬間に出くわすことがあります。ここで田中の個人的な絵画は、いうなれば場面(scene)として認識され、鑑賞者の内なる感情や想像を巻き込んだ情景(scene)として個別の広がりを獲得するかのようです。
 本展は田中の個人的な空間で目にした事・考えなどを発端として制作された絵画が、階段部分の展示作品を始点として、大まかな時間軸の流れを基に構成されます。それはあくまでも「そこにいた」田中の個人的な視点からのものではありますが、同時にそれを絵画として認識する「あなた(私)」の存在を必然とするものでもあります。