2016年8月2日〜8月14日  

 

Gallery PARC Art Competition 2016 #03

 

嶋春香:MEET / MEAT

Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2016年7月6日から8月14日にかけて「Gallery PARC Art Competition 2016」として3つの展覧会を連続開催いたします。本展は様々なクリエイション活動へのサポートの一環として、広く展覧会企画を公募 し、審査により採択された3名(組)のプランを実施するコンペティション「Gallery PARC Art Competition 2016」に応募された56 のプランから、平田剛志(京都国立近代美術館研究補佐員)、山本麻友美(京都芸術センタープログラムディレクター)の2名の審査員を 交えた厳正な審査を経て採択された湯川 洋康・中安 恵一、寺脇 扶美、嶋 春香の3組による展覧会を実施するものです。

その第三弾として、嶋 春香 「MEET / MEAT」を開催します。

 

会場撮影:麥生田兵吾

展覧会について

Gallery PARC Art Competition 2016 #03


嶋 春香 Shima Haruka
MEET / MEAT

 

「形態は機能に従う」と建築家ルイス・サリバンの有名な言葉があるように、形態は常にその外形にそれに先立つ機能を有している。しかし、果たして世界はそれに当てはまるものばかりなのであろうか。私は実生活の知恵で、本来の機能とは別の使い方、たとえば脚立を机の天板に支える脚代わりに使用したり、ナイロンたわしをセーターの毛玉とり代わりに使用するなど、本来の用途以外に代用することがある。
 それが意味するところは、物に唯一絶対の意味は存在せず、私と世界の間で成立する「形態」を巡った思考の表れとも言えないだろうか。

 私はこれまで、自作の中で筆致(”Touch”=さわる、触れる、手触り、関わりを持つ)への関心をもってきた。それはカンヴァスと絵筆との関係性の事だけではなく、実際には触れることのできない写真などの「イメージ」に「肉付け」しようとする身体的行為の表れだ。自身の感覚を通してイメージを解釈すること・イメージの定着方法について一貫して探ってきたが、それらの考えの根幹には「写真の何を見ているのか」という疑問が前提にある。
 本展では、イメージから受ける「印象」について考察した作品を並べ、その疑問にまた一歩近づきたい。



ステートメント

 時々デジタル上で絵を描くことがあるが、実際に紙とペンでドローイングしたときのような心的な変化や身体性があまり感じられず、どこか物足りなく思うときがある。それは描いているのに物質感を持たない、デジタル上のイメージ特有の希薄さなのかもしれない。デジタル上の重さの単位(何キロバイトなど)は存在し、データの重さは数値で理解することができるが、結局はそれ自体も目には見えない重さだ。
 確かに存在しているはずだが、どこかはぐらかされる特異性。私にとって写真や画像の中からすくい上げられるイメージとは、見る人の視触覚を刺激するにも関わらず、肉体を持たない幽霊のような存在なのである。

 

 

嶋 春香/SHIMA Haruka




作家略歴

嶋 春香/SHIMA Haruka

1989年 北海道生まれ
2012年 京都造形芸術大学 美術工芸学科 洋画コース 卒業
2014年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科修士課程 絵画専攻 油画 修了

おもな出展(抜粋)

2015年 93.未来の途中の先を夢見る。/ 93. Dream Ahead of "on the way to the future"(ARTZONE/京都)
京都銀行美術研究支援制度 15周年記念展覧会“京銀コレクションの15年”(京都銀行金融大学校 桂川キャンパス/京都)
Studio Exhivisit 2015 12スタジオと12の展覧会 “punto open studio”(共同スタジオpunto/京都)
個展「Half-length」(京都的芸術廉价中心・Artothèque Gallery/京都)
Sign of Happiness(Antenna Media/京都)
これからの、未来の途中ー美術・工芸・デザインの新鋭11人展 (京都工芸繊維大学 美術工芸資料館)
2014年 KUAD graduates under 30 selected(ギャルリ・オーブ/京都)
アートアワードトーキョー丸の内 2014(行幸地下ギャラリー/東京)
京都市立芸術大学作品展(京都市立芸術大学 アトリエ棟4F)
作品中!2014(galerie16/京都)
2013年 AUTUMN HURRICANE(京都市立芸術大学 小ギャラリー・大ギャラリー)
個展「Portrait」 (京都市立芸術大学 小ギャラリー)
2012年 RADICAL SHOW 2012(渋谷ヒカリエ8/ /東京)
PHANTASMA -ファンタズマ(Antenna Media/京都)
アートピーポーマッピン(ギャラリー@KCUA/京都)
2011年 Hers’ 2011(同時代ギャラリー/京都)
浮き出る、残像、見られて、とりもつ(京都造形芸術大学 gallery B37/京都)
2009年 DELETE(ギャラリーstarkart/スイス)
2006年 TenTen09 京都造形芸術大学・瓜生山祭学生展示企画(同大学/京都)
2005年 月イチ展#2〜#5(全4回)(gallery casa de sola 他/京都)

受賞歴

2014年 京都市立芸術大学作品展 大学院市長賞
2013年 京都銀行美術支援制度 2013年度購入作品選抜
2012年 京都造形芸術大学 卒業制作展 学科賞

コレクション

2014年 京都市立芸術大学
2013年 京都銀行
 
作品画像

《 Touch #獨逸の民藝 3 》  
2015 
カンヴァス, 油彩

作品画像

《 Touch #獨逸の民藝 1》 
 2015  
カンヴァスに油彩

作品画像

《 Touch #図版22 砥袋》  
2015  
カンヴァスに油彩

作品画像

《 Touch #gold yellow "hip"(R) 》  
2015  
発泡スチロール、石塑粘土、ニス、アクリル、布

 

 

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