2013年2月26日〜3月10日

一時的共同体:[con]Temporary Commune

ギャラリー・パルクでは、2013年2月26日から3月10日まで、京都造形芸術大学「ULTRA SANDWICH PROJECT」のOB生8名によるグループ展「一時的共同体:[con]Temporary Commune」を開催いたします。

 本展は京都造形芸術大学におけるプロジェクト「ULTRA SANDWICH PROJECT」で一年間に渡って共に学んだアーティスト8名による自主企画の展覧会です。

 ひとつの展覧会をつくりあげるために、アーティストはもちろん、キュレーターや、アートディレクター、デザイナーなど、様々な分野を専攻する学生・卒業生が「一時的共同体」を形成し、その中で、それぞれが独立的に新しい考えを示しながら関わることをテーマに本展は実施されます。

 平面、立体、インスタレーション、デザインなどによる幅広い表現をご覧いただくとともに、個々の「表現」が、ある一つの空間に集まることで生まれる「展覧会という出来事」にも注目していただけると幸いです。

 また、2月26日(火)には、「ULTRA SANDWICHPROJECT」のディレクターである名和晃平氏を迎えたトークイベントや、オープニングパーティーを開催いたします。こちらにもぜひ足をお運びください。

関連イベント

【レセプションパーティー】 2013年2月26日(火) 17:30~
【クリティークトーク(ゲスト:彫刻家・名和晃平)】 2013年2月26日(火) 18:30~

*その他、イベント情報は主催者Twitter @press_ctc にて随時アップデートいたします。

主催者によるテキスト

「共同体」の意味を調べると、「同じ地域に居住して利害を共にし、政治・経済・風俗などにおいて深く結びついている人々の集まりのこと」と示している。今の時代には、その言葉が地域コミュニティやインターネット上の集まり、学校を意味するなどに拡張している。
私たちが出会えたきっかけも大学のプロジェクトである。コンテンポラリーアートを学ぶため、自分自身の意思で選択したプロジェクトから私たちは、一年間という「一時的共同体」となった。

今回の展覧会のため、自ら「一時的共同体」をつくることになった私たちは、同じ目標に向けてみんなで動く共同体の概念ではない、個人個人が独立的に新しい考えを示しながら、いっしょに動いている一人ひとりを意味する新しい集団性、つまり、持続的に生成されて消滅する、その関係性に注目する。

普遍性を失った今の時代に、「アート」という共通分母で集まった私たちは、それぞれの感覚が交差する一つの空間にて「アートによる一時的共同体」として変換され、表現し合う。

李ハヌル(=キュレーション)

作家略歴

室 諭志|Satoshi Muro

1990年生まれ
京都造形芸術大学 空間デザイン学科空間デザインコース4回生
2010年より同大学ULTRA SANDWICH PROJECTに在籍

展覧会歴等

2012年 ソーシャル・マテリアル・デザイン展 (Gallery PARC / 京都)
2011年 AMA 展 -art meets amagasaki- (旧尼崎警察署 / 兵庫)
2010年 グループ展「PAUSE」 (D’S GALLERY / 京都)
CHAPTER0- 関西美大芸大合同大新歓- (free style hall FANJ / 京都)
BIWAKO ビエンナーレ2010 (旧邸宅 / 滋賀)

4本の脚と座面。3本の脚と2つの背もたれ。 12本の脚。ただそれだけ。 構造体を拡張、あるいは省略していく中で機能が立ち現れてはまた消えていく。 あるいは別の瞬間においては機能と“非” 機能が混在した判別不能なオブジェクトとしてのみ存在するかもしれない。 家具から彫刻へ、構造から装飾へ(可逆)

 
作品画像

田宮実咲|Misaki Tamiya

1991年生まれ
京都造形芸術大学 先端アートコース4回生
2009年より現代美術作家ヤノベケンジがディレクターを務める同大学水都大阪2009ラッキードラゴンプロジェクトに参加。
2010年より同大学ULTRA SANDWICH PROJECTに在籍

展覧会歴等

2011年 先端と石のある角部屋 (京都造形芸術大学 / 京都)
2010年 BIWAKO ビエンナーレ2010 (滋賀)
2009年 水都大阪2009 ラッキードラゴン制作 (中之島 / 大阪)

いつもの光景の視点を少し変えてみる事で、何か異質感を見いだす事ができればと考えています。しかし、たいていは、制作物をみる人の反応を想像し、どう制作をはじめるか決定しています。あわよくば見栄を張りたい気持ちがあり、見栄と考えの間で迷走する事が多々あります。 いかにして、かっこ良くみえるか。私の制作には邪念が埋まっています。

 
作品画像

湊 大介|Daisuke Minato

1989年生まれ
京都造形芸術大学 情報デザインア学科先端アートコース 卒業
2010年より同大学ULTRA SANDWICH PROJECTに在籍

展覧会歴等

2011年 学内選抜展 (京都造形芸術大学 / 京都)
2010年 学内選抜展 (京都造形芸術大学 / 京都)

衣服の試着にてサイズを間違えたり、イメージと動作が伴わなかったり、人と並ぶ事で初めて脚が太いと自覚するように人は身体という器をあまり捉えきれていない。自身の意味が通るという事を過信し、そのも の自体を知れていないように感じる。 常に数十キログラムの塊が移動している事。物質であるということ。空間であるという事。 人のフォーマットである身体からある種の要素を抽出し変換を加え抽象化する事で、「身体の可能領域」について考察していく。

 
作品画像

村田有理|Yuri Murata

1989年生まれ
京都造形芸術大学 立体造形コース 卒業
2009年より同大学ULTRA SANDWICH PROJECTに在籍

展覧会歴等

2011年 京都造形芸術大学彫刻コース OB展 (ギャラリーマロニエ / 京都)
ARTCOM 2011 (けいはんな自然公園 水景園 / 京都)
場所 (ギャラリーマロニエ / 京都)
2010年 彫刻コース3回生有志展 (Art Gallery KARIN / 京都)
ARTCOM 2010 (けいはんな自然公園 水景園 / 京都)
2009年 月イチ展#6

検索一つで簡単に情報を得られる時代。しかし、映像でみた・写真でみた・文書で読んだ情報は、「誰かが」体験したことが伝達のために「変換された」状態である。その二つのフィルターを通り抜けるとき、情報は意図的、意図的でないに関わらず大きく変化する。 変化された情報は、受け取った私たちというフィルターによってさらに変容していく。私は、それらの様を否定も肯定もせず、ただ冷静に見つめることで変換された情報のはざまで自分の立ち位置を再確認したい。

 
作品画像

大和 美緒|Mio Yamato

1990年生まれ
京都造形芸術大学 総合造形ゼミ4回生
2009年より同大学ULTRA SANDWICH PROJECTに在籍

展覧会歴等

2010年 Theatre PRODUCTS にてグラフィック作品商品化
2009年 関西テレビ トランスフォーマー天満コスプレ祭 優勝
2008年 滋賀県近江八幡市 絵画の部特選

複雑な有機的曲線で構成される森に、数学的変換を用いて秩序を与える。これは、森という恐怖感すら抱かせる巨大な存在と、現代社会に生きる私との適正な関係の一つである。ロールシャッハテストのように、人はシンメトリックなものから各々にイメージを切り取ることができる。 そのイメージを分析する事によって自身の無意識的な衝動や欲動、知覚パターンを理解できるという。 人為的な秩序を与えられた森から、私たちはどのようにイメージを切り取る事ができるのだろうか。

 
作品画像

李 生美|SaengMi Lee

1991年生まれ
京都造形芸術大学先端アートコース3回生
2010年より同大学ULTRA SANDWICH PROJECTに在籍

展覧会歴等

2012年 舞台「1974 大阪」  (ARTZONE / 京都)
2011年 在日3人展「α展」 (ギャラリー ラ・キキ / 神戸)
2009年 NEW VILLAGE ‒neonate‒ (0000gallary / 京都)

ガーベラは人気が高いためニーズに合わせて品種改良がされ、たくさんの種類が作られています。 人工的に形や色が作られるのに枯れてしまう。それは、自然の中の植物である逆らえない儚さであるでしょう。 反面、痛々しいまでの色鮮やかなガーベラにグロテスクささえ感じます。そんな人工と自然とをさまようガーベラを解体し、自身の解釈での再構築を試みます。

 
作品画像

東條 由佳|Yuka Tojo

1991年生まれ
京都造形芸術大学総合造形コース3回生
2010年より同大学ULTRA SANDWICH PROJECTに在籍

展覧会歴等

2010年 「GRUPPO ANO 展 Vol.17」 (ギャラリー天神アートフレンズ / 福岡)
「GRUPPO ANO 展 Vol.16」 (ギャラリー天神アートフレンズ / 福岡)
2009年 「GRUPPO ANO 展 Vol.15」 (ギャラリー天神アートフレンズ / 福岡)

おろしたてのシャツは着回すたびにくたびれ、古びていく。 動きの蓄積や、時間の重なりで皺は深まる。 生まれた赤ん坊はやがて年を重ね老いていく。 皺はある過程の中、生から死の間にも存在している。 皺は決して美しいものではないが、同時にとても魅力的なものだと感じる。 それは死に向かって生を重ねていった証だからではないだろうか。

 
作品画像

崔 多情|DaJung Choi

1989年 韓国・ソウル生まれ
京都造形芸術大学総合造形コース3回生
2011年より同大学ULTRA SANDWICH PROJECTに在籍

展覧会歴等

2012年 Frame works vol.0005 フレーム問題 展 (猪田家 / 京都)
キネキテル (Antenna Media / 京都)
箱の宇宙 (ギャラリーハコバカ / 京都)
Frame works vol.0002 あいだ 展 (京都造形芸術大学 / 京都)
Frame works vol.0001 2kg 展 (京都造形芸術大学 / 京都)
2011年 KYOTO CURRENT VOL.3 オークション (高島屋百貨店 ゆとりうむ / 京都)
KYOTO CURRENT 展 (京都市美術館 / 京都)
Think 3.11 展 (ギャラリーみやがわ / 京都)
臨生のアート (京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ / 京都)
2010年 Project A・N・D (ソウル・韓国)

私は一家にお婆さん、お爺さん、親戚と一緒に暮す大家族の中、長女として生まれた。幼稚園までは大家族の下で育てられ、小学校に入学した時の1年間は2世帯に戻った。そして、また3世帯家族の生活になり、大学生になった今は1世帯、一人暮らしをしている。 家族構成員がどんどん変化していくのは単純に時間の流れではなく、社会が追い求める生活形態の変化である。そして家族という意味も多くの方向に解釈されている。私は、自分の小さな家族構成員だけではなく、社会の中にある色んな家族に対する関係を研究すると共に、現在の 一人暮らしの立場で、これから自分が作るかも知れない新たな家族という存在についても考えている。 このような自分のバックボーンから、家族が住んでいるフレームとしての「家」というモチーフに重点を置いて制作している。

 
作品画像
 

 

空白