ギャラリー・パルクでは、2013年2月5日[火]から10日[日]まで、「ROOTS:櫻澤 克征 展」を開催いたします。
本展は現在、京都造形芸術大学 美術工芸学科 陶芸コース4回生に在籍する櫻澤克征(さくらざわ・よしまさ / 東京・1989~)による個展として、器や蓋物を中心にこれまでにつくりためた約200点の作品を展示するとともに、陶芸をはじめてからこれまでの自身のルーツを辿る展覧会です。
櫻澤はこれまでに器・水差し・茶入れ・香合などの茶道具を思わせるものから、花器や皿・鉢・壺、オブジェまで、陶による幅広い作品を手と土のおもむくままに制作しています。とりわけ近年では「蓋物」を中心に、茶道具ともオブジェとも呼べる作品を精力的に制作しており、それらはいわゆる「器・容れ物」として作陶や釉薬の美しさを示すとともに、趣向を凝らされたユーモラスな「オブジェ」としての造形の楽しさをも伝えます。
「自分が生まれてから今に至るまでの自分自身を探り、他者とのコミュニケーションの中で陶芸の楽しさや、陶芸の美観を自他ともに再発見できれば」と言うように、その作品には櫻澤の興味対象(素朴なもの、原始的なもの、建築的なもの、幾何学的なもの)から発想を得たものや、あるいは日常生活の中での小さな発見が造形として集約されているかのようです。また、それらを現在、<stone>(石ころの蓋物)、<the zoo>(動物の蓋物)、<town>(茶器としての小さい蓋物)、<city>(幾何学的な建築的なオブジェなど)の4つに大別しながらも、それぞれにユニークな試行錯誤を重ねています。
櫻澤の新作・旧作を取り混ぜたおよそ200点の作品を展示する本展では、その柔軟で変容性を持った作品の魅力に触れていただくとともに、陶の持つ自由な表現の魅力をも感じていただけるのではないでしょうか。
まちを歩くと、二度見することがよくあります。
そこをよく見ると、昆虫がいたり、綺麗な石ころがあったり、キノコが自生していたり。 美しいものは日常に満ちあふれています。日頃からセンサーを巡らし、察知することで自分自身の美しいものへのモノサシの鮮度を保っているように感じます。 そんなものを作ってみたいもんです。直感でビビっとくるものを。生活にそういったものが溶け込んでいれば、毎日が痺れるように楽しく、彩り豊かになるんではないでしょうか。
-展覧会について-陶芸を始めて四年が経とうとしています。
陶芸に触れるまでは絵画を学び、いつかは立体物をつくってやろうと思っていましたが、何故陶芸を選んだかは今でも確かではありません。
自分のルーツは何処なのでしょう。
建築的なものや、幾何学的なもの、原始的なもの、素朴なもの、数えると案外少ないものです。 粘土というものは自由自在に変化します。というよりも、変化するしかないものだと思います。 それは、髪の毛が伸びるように徐々であったり、はたまた髪を切るようにバッサリと変わります。 そのなかでも残るものがあり、そこには自分の自分たる何かが顕在しているのではないでしょうか。
日々のなかで感動することは絶え間なくやってきます。好きなものはどんどん増えていき、同時に自分のルーツは何処から来たのか瞑想します。
本展覧会は、自分が生まれてから今に至るまでの自分自身を探る機会であるとともに、他者とのコミュニケーションの中で陶芸の楽しさや、陶芸の美観を自他ともに再発見できればと思います。
櫻澤 克征
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<stone> <the zoo> <town> <city> |