Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、京都の文化・創造活動の更なる活性化への支援のひとつとして、多くの芸術系大学への会場提供によって展覧会やイベントを開催する「PARC_美術・芸術系大学サポートプログラム」に取り組んでおり、本展「アプローチ:approach 明界 要介 展」は、成安造形大学のコーディネーションによる展覧会です。
「物事の関係性に興味があり、それら一連が構成する空間・状況・環境を『間』と捉えています」とする明界要介(みょうかい・ようすけ /1982~)は、空間の持つ特性に合わせたインスタレーションに取り組んでいます。しかし、その作品は空間に表現を沿わせ・一時的にでも固定化するものではなく、空間を受け入れ、また空間に働きかけることにより起こる「変化」を取り込んだものとして展開します。
「その影響・連鎖の断面から一編の結果(カタチ)を見いだします」として、空間・素材・表現・思考・時間など、場を満たす様々な要素をベクトル(相互に影響・干渉しあう働き)としてイメージし、それらの関わりがつくる一瞬の「関係」をカタチとして切り出して見せるかのようです。
その作品は「不定形」ながらも、そこに何らかの「共有」を生みだし、鑑賞者の想像によりさらに広がりを持つようでもあります。本展では近年に明界が取り組んでいるマスキングテープや養生テープを用いたインスタレーションとともに、建築や建具などにアクセスした作品を展開します。
今回の展示では、近作で注目している「仮設的に空間に働きかけること」を中心に展示を行いたいと思います。
このことは、いわゆるインスタレーションを指したものではありますが、私の考えるそれは、必要以上の装飾性・表現性を排し、あるいは必要と思える装飾性・表現性を残しながら、然るべきカタチ・配置・構成を探る行為であり、その考察と結果でもあります。
また、空間の持つ場所性や時間変化に対して即興的に対応(影響・関係)し、作品の素材・ボリューム、内容やタイミングをコントロール(選択)することで、必要なことを必要なだけ必要なタイミングで表現できるのではないかと考え、そのカタチに「変化の可能性」を持たせることで、そこに思考や想像を膨らませる余地を持たせることができるのではないかと考えます。
物事の関係性に興味があり、それら一連が構成する空間・状況・環境を「間」と捉えます。 その要素は有形・無形と様々ですがいずれも小さなベクトルであり、その変化は他の物事に影響を与えながら連鎖し、無数の小さなベクトルが大きな波となって、ひとつの球のようになるイメージを持ちます。 そして、その影響・連鎖の断面から一編の結果(カタチ)を見いだします。 制作に用いるものはそれまでの私の選択の結果、必然的に出会いを得たものであり、そのひとつひとつを解釈し、「間」として再構成をおこなうことで、展示・発表・鑑賞の過程に新たな関係を築くものとして提示します。 表現を自己から発する固定化したものとして定着させるのではなく、人・選択・意志・思考・場所・空間・時間など様々な物事と関係しながら制作を行なうことで、全貌の見えない「球」について、ある切り口をもって理解し、考察を行います。
明界 要介
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《rayout drawing on space》 《re - さらに 《space drawing on space》 |