Review
・「近藤洋平:whereabout」展覧会評|執筆:平田剛志(美術批評) Gallery PARC Art Competition 2017
Statement
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。
世の中にある人とすみかと、またかくの如し。」
ー鴨長明「方丈記」
私は、「場所(あるいは空間)」が持つ特徴と「物質」(日常で見かける金属や紙や鏡など)の持つ特徴を読み解き、組み合わせ、
自然現象や状況のイメージを重ね合わせ、空間を再構成し空間にわずかな変化を生む作品を制作してきました。
私が、このような制作方法を大切にするのは、大学で建築を学んだことが影響しています。
建築は、場所の特徴を読み解き、様々な物質を用いて空間・構造物を作っていきます。
さらに、環境や社会状況などにより常に変化していく存在です。変化を受け入れつつ作品に取り込む。
この考え方は、建築のように決して強固なものではないですがその場所の時間や環境、鑑賞者の存在によって変化する空間をつくりだす私の作品に共通するものです。
常に変化していくこと、それは私たちの世界そのものだと思います。
「場所」と「物質」を手掛かりに、「私たちの世界は変化を続け、いかに曖昧で不安定な存在か」、その捉えどころのない揺らぎをあらわにするような作品をつくりたいと思い制作を続けてきます。
CV
1984 岐阜県生まれ
2007 姫路工業大学環境人間学部 卒業
2009 武蔵野美術大学大学院造形研究科デザイン専攻建築コース 修了
2021
「もみぢと時雨」(長寿寺 / 滋賀)
個展「after the rain」(kumagusukuSAS / 京都)
2020
「奇妙な時間」(ギャラリー小さい家 / 岐阜)
「齋藤秀雄(木器) ×近藤洋平(彫刻)」(cafe 座禅石 / 静岡)
2017
個展「whereabouts」(Gallery PARC/京都)
「ミズマクおおがき2017 - 大垣の新進美術家たち-」(大垣市スイトピアセンター / 岐阜)
2016
個展「melting point」(熱海市内 / 静岡)
個展「波打ち際」(熱海市内 / 静岡)
「渚町5 丁目4 番地4F・5F・6F」(大館ビル / 静岡)
「建築系 2」(ギャラリー小さい家 / 岐阜)
2015
「in passage」(nagisArt / 静岡)
「建築系」(ギャラリー小さい家 / 岐阜)
2014
「月をめぐる九つの物語」(ギャラリー小さい家 / 岐阜)
「混流温泉文化祭」(丸屋ビル / 静岡)
2013
「代官山インスタレーション2013」(西郷山公園 / 東京)
「トーキョーワンダーウォール公募2013 入選作品展」(東京都現代美術館 / 東京)
「岐阜と宇宙民藝」(なうふ現代 / 岐阜)
2012
「うつせみ」(常懐荘 / 愛知)
「うたかた」(アートラボあいち / 愛知)
「水と土の芸術祭2012」(西大畑公園 / 新潟)
2011
「おもしろき視座」(菊川画廊 / 山口)
「第24 回UBE ビエンナーレ(現代日本彫刻展)」(常盤公園 / 山口)
2010
「松戸アートラインプロジェクト2010」(伊勢丹松戸店 / 千葉)