ギャラリー・パルクでは、2016年2月9日[火]から21日[日]まで、愛知県立芸術大学大﨑研究室の主催・企画による「Lagrangian point -To Form-」展を開催いたします。 本展は愛知県立芸術大学油画専攻の在学および卒業生による展覧会として、同大学准教授を務める美術家・大崎のぶゆきにより企画されたもので、日本の中間地点「愛知」という場所を「ラグランジュポイント」と名付け、そこに浮かび上がる表現から彼らの思考や視点を知り、考察を進める試みとなります。
この「Lagrangian point」は、Gallery PARCの会場提供による大学協力展として開催されるもので、2014年、2015年に引き続き3回目となる今回は、その副題を「トゥー・フォーム」として絵画や版画、インスタレーションを展開する3人の作家を紹介します。
それぞれの作家はいずれも目に見えない「何か」にまつわる興味に基づき、絵画・版画・インスタレーションなどの異なるアプローチから、ひとつのカタチを提示します。その根底にある「それは何か?」という眼差しであり、私たちにとっての根源的な問いへも重なるものだといえるのではないでしょうか。
本展は愛知県立芸術大学油画専攻の在学および卒業生による展覧会として企画したものであり、日本の中間地点「愛知」という場所を「ラグランジュポイント」と名付け、彼らが思考したこと、表現しつつあるものを紹介する企画です。
3回目となる本展では、副題を「トゥー・フォーム」として絵画や版画、インスタレーションを展開する3人の作家を紹介いたします。
目に見えない、しかしながら「ある」という感覚を銅版画で描こうとする箱山 朋実、無意識の感覚や痕跡をスクラッチで表現する市ノ澤 萌々子、「感覚の鈍くなる空間」をつくりたいと話す亀倉 知恵。
彼女達が共に語る「感覚」-目にみえない「何か」について-の試みは表現する事へのプリミティブな眼差しであり、「それは何か?」を考えることは私たちの存在そのものを考えることでもあります。その根源的、原始的な眼差しをそのままに形に置き換えようとする彼女達はひょっとすると「ラグランジュポイント」としての魅力そのものかもしれません。
彼女達が探求する『目にみえない「何か」』について思考する機会になればと考えています。大﨑 のぶゆき/美術家
感じたことを感じたままに伝えることはとても難しい。不安定な音程のボーカルにズンドコドラム、これが美しいのです。 自分の考え方を理解してくれるのが同じ言葉を話す人ではなく、全く別の話す人である場合もあるのかもしれない。 空想の世界から離れなければならなかった。苦しみのなかで穏やかな気持ちを取り戻すためにはそうする必要があったのだ。 空想は時の経過と共にこの世から完全に消えてしまうわけではない、無意識といったかたちで常にどこかに潜んでいる、空想のドキュメンタリー。
市ノ澤 萌々子感覚が機能しなくなるような鈍くなる空間を作り出したい。「感覚の鈍くなる空間」とは、例えば雪壁やダム、巨大な砂山などの前に立ったとき、物質のあり方に圧倒される瞬間のことである。またこの空間は時に蛍光灯に照らされた植物の生々しい緑に出会ったときのような、非日常以外の場でも似た ような感覚に出会うことがある。場と物質から作られる空間の関係性を、作品を通じて探っている。
亀倉 知恵目に見えないけれど"ある"と直感し、そしてそれが大切なものだと知っている。それを人に伝えたいのに言葉ではうまく説明できず、またささやき声のようにさりげないためにいつの間にか忘れてしまう。そんな事柄をなんとかして記録したいと考えています。作品を作るということを通してならばその方法を見つけ出せるのではないかと考え、制作しています。 それ、はまるでオバケのようです。目に見えないだけではなく、よくわからないからです。私が"ある"と感じるということは、あなたにも"ある"と感じてもらえるかどうかわからない。そもそも、私の中の秤が"ある"もののことだけを"ある" と感じ取っているのか疑わしい。本当に"ある"のかよくわからないのです。私は、このわからなさをできるだけ誠実に観察し、私が何をわかっていて何をわ からないでいるのか知りたい。そして、このオバケに血や肉をあげて体を作ってやりたい。このオバケへの親しみをなんと言ったらいいかわかりませんが、 生き生きとしたその姿を見たいと思います。
箱山 朋実
出展作家略歴
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