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[m@p] Artists Interview
初回封入内容 |絵扇子 《水に咲く梅花藻とめだか》
今回の[m@p]スタンダードのプランは? (取材日:2020.8.)

四季を描いた扇子を4回に渡ってお送りします。
[m@p]は1年間・4回に分けて送るというところが一番大事なところだなと思ったので、毎回の季節感を出したものにしたいと思いました。また、四季とか季節感というのは日本画の武器、特徴でもあるかなと思って、スタンダードではそれを入れたいと思いました。
4回という形式でそれぞれ何を入れようかということも難しくて、アイデアは出るけれどひとつに絞らないといけないので、自分の代表として何を出せばいいのか悩みました。
これでお客さんが喜んでくださるだろうか、何が届くかわからない状態でまず買ってもらわないといけないので心配でした。
その中でA4サイズというサイズの制限を考えた時に、すでにある既存の「扇子」というカタチが一番シンプルだけど、やはり自由度があると思って。また、日本画家とはいっても、普段はなかなか日本の様式を倣って描くということが減っているから、扇子というもの、その扇型に四季を入れ込むというのをいい機会なのでやってみようかなと思いました。
扇子はあおぐものという意識があると思うのですが、飾れるように組み立て式の台も送ります。拡げて置くだけで、洋室にも和室にも置けるようなものとして考えています。
お茶の扇子はほとんど開いて使ったりすることは少なくて、たまに何かを乗せるということはあるけれど、自分のために持っておくみたいで、それと同じように、飾っても、自分のために持っても、使ってもいいかなと思っています。
扇子の大きさとか形も、調べてみたら茶扇子は小ぶりだったり、絵扇子はちょっと大きかったり、とサイズも少し違うので、毎回同じ大きさではないものにしようと思っています。扇子のつくりもそれぞれ少し違うので、調べて、試しながら変えてみようと思っています。

個展「光の海」“LIGHT AND SEA ”展示風景(2019, Gallery PARC)
1年分が揃ったら、季節ごとに飾るという楽しみもできますね。

そうですね、気軽に飾りかえていただきたいです。
手紙も同封するのですが、毎回個展の時などはお客さんと話したりするように、手紙を通してつながりを少し強くすることができればと思っています。
自分の近況を伝える新聞のようなもの...になるかわかりませんが、手書きで書いたものを入れると面白いかなと思っています。

プレミアム参考作品《AQUA(shell and stars)》撮影:田中和人
プレミアムは?

深海を描いた「AQUA」や「Origin」というこれまでのシリーズの小品で、3回の発送で『○ △ □』のカタチが揃うパッケージを予定しています。4回目は扇子をお送りします。
『○ △ □』は世界の成り立ちにおける基本のカタチなんですが、幾何学的な模様を意識して描いている「AQUA」や「Origin」のシリーズを、パネルのカタチを『○ △ □』にして描いたら面白いかなと思いました。もちろん額付きです。
最後の扇子は季節感を描いたスタンダードとは違って、抽象の扇子にしようと考えています。扇子のカタチをとっているけど画面は抽象、という試みでもあります。絵蝋燭も送るので、ぜひ、○ △ □の作品と扇子、絵蝋燭を飾っていただきたいです。

個展「光の海」“LIGHT AND SEA ”展示風景(2019, Gallery PARC)
[m@p]に取り組んでみていかがでしたか?

最初聞いた時は、難しいだろうなと思ったんですが、そういった機会が与えられるのが嬉しいから絶対やろうと思いました。実際、考えていくうちに難しくなってきたのはサイズや厚みでした。モビールとか、色々考えたんですが、最終的に原点に戻ろうと扇子になりました。
色々やりたいことはあったのですが、日本画家であれば、まずはこれを出したほうがいいのではと思って扇子にしました。
他のみなさんはほとんど四季、季節を取り入れないというのは意外でしたし、そういう意味では日本画家としての役割を与えられたとも思いました。
最初は実際の作品を見てもらうことなく、写真と言葉だけで説明するだけで、残りの3回は全く何が来るかわからない状態というのは、お客さんにとっても不安じゃないか、大丈夫だろうかと心配したのですが、展覧会に行く時だって、お客さんは実物をまだ見ていない状態で訪れるわけだし、作家もお客さんが喜んでくれるか、どう思うかなとかを想像しながら描くわけだし。よく考えると普段やっていることと似ているかなと思います。