ギャラリー・パルクが入居する「堀川新文化ビルヂング」の、1階 大垣書店やカフェ&バー Slow Page店内、ウィンドウディスプレイ展示[EXTRA-NEUTRAL]として、「伊藤 学美:garden」の企画・展示協力をおこないました。
[EXTRA-NEUTRAL]
伊藤 学美
garden
会期:2022年 6月11日[土]— 7月3日[日]
会期中無休・入場無料
会場:堀川新文化ビルヂング1階・大垣書店やカフェ&バー Slow Page店内、ウィンドウディスプレイ
カフェ・書店の営業時間内にご覧いただけます。詳細は会場ウェブサイトにてご確認ください。
https://horikawa-shinbunkabldg.jp
堀川新文化ビルヂング全館に渡って、魅力的な作品を展開させる企画[EXTRA-NEUTRAL]では、版画家・伊藤学美による個展『garden』を開催いたします。
2011年に京都市立芸術大学大学院を修了した伊藤学美は、銅版画の古典技法のひとつであるドライポイント技法により、写真と絵画の狭間にあるかのような作品を制作しています。
銅版にニードルで直接イメージを刻み込むこのドライポイント技法は、その線に独特の柔らかさや滲みによる豊かな表情が現れます。
伊藤は写真を参照しながら長時間に渡って版を彫り、やがて風合いのある紙にうつしとります。これにより細部においては詳細でありながら、全体にはまるで水墨画のような柔らかさを持つ、魅力的な画面をつくりだします。
本展『garden』では、堀川新文化ビルヂング全体を『庭』に見立て、館内各所に伊藤のこれまでの作品から「松」、「水鏡」、「雪景色」のシリーズを展示するものです。
1階玄関付近および歩道に面した階段下ウィンドウスペースには、「松」をモチーフとした作品が複数展示されています。
同じ松でありながらも筆致の異なる作品は、私たちと対象との距離の差異を感じさせます。
階段の踊り場と、大垣書店内には、「水鏡」をモチーフとした作品を展示。これは伊藤にとって長い時間をかけて制作した版こそが実像であり、刷られた紙は虚像であるとの思考から制作したシリーズとなります。
カフェSlow Page店内には「雪景色」をモチーフとした作品が複数展示されています。モノクロの版画作品にとって、白は紙の由来するものです。図の無い部分の紙の白が雪にとなっている本作品は、伊藤の一版一色の版画特性を活かしたものと言えますが、作品を見るうちに、どこか地と図が反転したかのような感覚を受けるのではないでしょうか。
3つのシリーズによって構成される本展示において、伊藤の版画作品を眺める中で、版画の持つプロセス(時間制)を想像するとともに、焦点や距離、地と図など、私たちの目や視線のあり方の不思議についても、思いを巡らせる機会となれば幸いです。
【作家ステートメント】
ニードルなどの鉄筆を用いて、版に直接イメージを刻む”ドライポイント”という技法を用いて制作をしています。
版にイメージを刻むという意味で、制作には原初的な身体行為を伴います。時間と空間を含みながら刻まれた版には深度があり、紙に刷り取られる際には、より強度を持ったイメージとなって現れます。
凛とした松の佇まいや、抽象画のような水鏡、図と地が反転したような雪景色など、無数の線で構成された画面は、一見すると写真のような印象を与えます。けれども目的はリアリティの追求では無く、独自の映像性と偶然性を孕んだ新たなイメージを表出させる事です。
作家情報について詳細はこちらよりご覧ください。 >Artist info
- 主催:NEUTRAL / 企画・展示協力:Gallery PARC
《pine#11》
2014
ハーネミューレ紙, インク / ドライポイント
107×78cm
《pine#18》
2021
ハーネミューレ紙, インク / ドライポイント
107×78cm
《garden#1》
2014
ハーネミューレ紙, インク / ドライポイント
45×60cm
《surface#22》
2020
ハーネミューレ紙, インク / ドライポイント
120×90cm
【会場】
〒602-8242 京都府京都市上京区皀莢町287
【アクセス】
堀川商店街北側より徒歩1分/晴明神社より徒歩10分
市バス:9番・12番・50番・67番 堀川中立売下車徒歩1分
地下鉄烏丸線:今出川駅徒歩20分 丸太町駅徒歩20分
地下鉄東西線:二条城前駅徒歩15分
駐車場:2台まで/駐輪場:あり
【主催・お問い合わせ】
堀川新文化ビルヂング (株式会社 大垣書店)
075-431-5551