本展は広く展覧会企画を公募し、厳正な審査により選出されたプランを展覧会として実施する、コンペティション「Gallery PARC Art Competition 2019」の採択プランによる展覧会です。2014年から毎年開催により6回目を迎える本年は、応募総数64プランから、平田剛志(美術批評)、勝冶真美(京都芸術センタープログラムディレクター)の2名の審査員を交えた厳正な審査により、採択された3つの展覧会を前期・後期に渡って開催いたします。
3フロアに渡る展示室を持つPARCの空間を活かした展開として、本年は前期となる7月5日から7月21日までの[#01]では、2階展示室で加藤舞衣による個展「部屋と外」を、4階展示室で坂口佳奈・二木詩織による展覧会「キャンプができたらいいな。」を同時開催することで、2つの個展を構成します。また、後期となる7月26日から8月11日までの[#02]では、パルクの全フロアを会場に、洪亜沙による個展「アンバー・ランド」を開催いたします。
展覧会について:洪亜沙
【 展覧会コンセプトやテーマ 】
私たちは常に何かの社会や時代に繋がれているが、それらには必ず外部がある。その外部が見えた時、自分が立つ土地は急に脆くなる。同じことはこの世界そのものについてもいえる。世界の外部を少しでも想像しようとすると、この世界が存在しているのかわからなくなるときがある。
この浮遊するような感覚は、テーマパークに来たときの感覚と似ている。来場者はしばしば、テーマパークの外側を知っていながら、内側の世界に没入してしまう。
今回の展覧会では、架空の歴史や宗教をつくりあげるが、それは別の現実をつくるということではない。テーマパークでの夢うつつなのである。
【 プラン採択、実施にあたってのコメント 】
プランが採択されとても嬉しく思っています。個展は初めてなので不安も多くありますが、なんとか切り抜けてその先が見えたらいいなと思います。PARCはホワイトキューブであるのにわざわざ「美術」の「台座」を設けようとしているので自分で少し笑いそうになるのですが、そういうところは楽しんでいきたいと思います。また鑑賞者にとって、単純に面白いこと、興味深いと思えるような仕上がりにできればと思っています。