Exhibition View
Works
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上: Allegory with Venus or Psyche, and Cupid
下: Light shines through the cloth
2015
上: 染料、蝋による防染、インクジェットプリント、綿布
下: ゼラチンシルバープリント、ガラス
上:78×100cm /下: 32.5 × 41.5cm
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右: Portrait H at a window / 左: Portrait A at a window
2016
ゼラチンシルバープリント、ガラス
右: 41.5×32.5cm /左: 18× 25cm
Statement
私は「人が人の姿をうつすことへの欲求・欲望」に関心をもっており、作品をつくる動機となっています。
この「人の姿」とは、記憶を元に心に思い浮かべる顔や姿や、実際には存在していないにもかかわらず人の想像の中に在る姿のことを指しています。つまりここで私の考える「人の姿をうつすこと」とは、表面的な姿や形ではなく、人がもっている想像、引いてはその想像を生み出す欲求や欲望から生まれるものです。
たとえば、それは身近な家族や友人恋人の姿を痕跡として留める為に、その人の影の輪郭をなぞること、婚姻関係にある男女がその関係を表し、互いの姿を残すために描かれた肖像画、あるいは、
亡くなった人の姿を留めるため、その亡骸を包む布にうつる体液の染みを亡くなった人の姿・痕跡とすることや、その痕跡を残し続けるために、元の姿よりかけ離れても、繰り返し別の媒体へうつし続ける行為などが例として挙げられます。
これらの関心から、染色技法による絵画、鏡の中の映り込みや、光の粒子によって投影された映像や写真の反射をもちいたインスタレーションや、ガラス板を使用したゼラチンシルバープリントを制作しています。
染色によってうつすモチーフは、プシケが手にしている弦の緩んだ弓や、既にその場にいない恋人の影の輪郭など、不完全性や不能性が含まれています。これらの対象はそれぞれ意味をもちながらも、それ自体は機能を成さないもの、或は不能とわかっていながら、うつさざるを得ない動機を孕んでいます。
2020年5月31日
西山裕希子
CV
2003 京都市立芸術大学大学院美術研究科染織専攻 修了
2013-14 Universität der Künste Berlin, Professor Leiko Ikemuraのもと在外研修
2016 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程油画領域 単位取得満期退学
2020
「つなぐ・つながる」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA / 京都)
2019
「作品展」(京都市立境谷小学校 / 京都)〔18,17年〕
2018
「ART in PARK HOTEL TOKYO 2018」(パークホテル東京 / 東京)〔SAI Galleryより参加〕
2016
個展「Maya, Knots, Psyche」 (SAI Gallery / 大阪)
「ポーラミュージアムアネックス展 2016 –イメージと人体-」(ポーラミュージアムアネックス / 東京)
「INTERIM SHOW 2016」(京都市立芸術大学 新研究棟 / 京都)
「House of Day, House of Night(昼の家、夜の家)」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA / 京都)
2015
個展「You” (Gallery PARC / 京都)
「INTERIM SHOW 2015」(京都市立芸術大学 新研究棟 / 京都)
2013
「LET US SNOW」 (Kreuzberg Pavillon / Berlin, Germany)
「Rundgang」 (Universität der Künste / Berlin, Germany)
「景色替え Scenes Changing」 (Gallery Hosokawa / 大阪)
2012
「京都市立芸術大学博士課程展」 (京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA / 京都)
「INTERIM SHOW」 (京都市立芸術大学 新研究棟内1F.4F / 京都)
「ART OSAKA」(Hotel Granvia Osaka / 大阪)[Gallery Hosokawaより参加]
2011
個展「室内模様」 (STANDING PINE / 名古屋)
2010
個展「a suite –組曲–」 (neutron kyoto / 京都)〔05、03年〕
個展「portrait」 (Showcase/MEGUMI OGITA GALLERY / 東京)
「VOCA展 2010 −新しい平面の作家たち」 (上野の森美術館 / 東京)
2009
個展「鏡のすき間」(PANTALOON / 大阪)
「ART CAMP 2009」(ギャラリーヤマグチクンストバウ / 大阪)〔招待参加〕
「第17回 清流展」(染・清流館 / 京都)
「青参道アートフェア」(IOSSELLIANI T-02-IOS / 東京)
2008
「わざゼミ報告展」(京都芸術センター / 京都)〔2007年よりゼミ参加〕
「P&E」(ARTCOURT Gallery / 大阪)
「ACG Eyes:映像とドローイング−narrative−」(ARTCOURT Gallery / 大阪)
2005
個展「seeing with blind eyes」(大阪府立現代美術センター / 大阪)
「群馬青年ビエンナーレ’05」(群馬県立近代美術館 / 群馬)
2003
「ART CAMP in CASO」(海岸通ギャラリーCASO / 大阪)
2002
「2002京展」(京都市美術館 / 京都)
2004
「第1回現代美術コンクール −出会い系サイトとしての美術:森村泰昌とともに鍛える、あなたの表現」
グランプリ (大阪府立現代美術センター / 大阪)
2002
「京都市立芸術大学制作展」市長賞 (京都市美術館 / 京都)
2001
「国際瀧富士美術賞」受賞 公益財団法人日本交通文化協会(東京)
2014 野村財団より2014年度上半期芸術文化助成 (公益財団法人野村財団)
2013 ポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリンに滞在 (公益財団法人ポーラ美術振興財団)
2012 吉野美術振興財団在外研修員としてベルリンに滞在 (公益財団法人吉野美術振興財団)