Top

Previous page

Exhibition info

木村亜津・冨田秀一郎・前川紘士

Kimura Azu・Tomita Shuichiro・Maekawa Koji

滞留

STAGNATE

2024.8.24. ~ 9.15.
水・木休廊

About

「滞留」は、美術作家の木村亜津と前川紘士、生物学者の冨田秀一郎による自主企画展です。本企画のメンバーは、2021年からの3年間、科学者と美術作家の交流を促すプログラム「ファンダメンタルズ プログラム」に参加した際に出会い、木村と冨田、前川と冨田のそれぞれがペアを組み、個別に交流を重ねてきました。交流のペースや内容はそれぞれのペアで異なりますが、手探りのやり取りの中から少しずつ他者と共有できる/してみたいと思う断片が生まれて来ています。
展覧会タイトルの「滞留」とは、本企画を表す言葉として3者が共通して適っていると捉えた言葉です。英語に訳した“STAGNATE”には、”停滞”や”淀み”といったネガティブな印象を与える意味もありますが、元の流れから一旦距離を取り、アイディアやイメージを漂わせることは、新たな想像や実践を育む機会にも繋がります。本展では、それぞれの交流から生まれたものを来場者と共有すると共に、通常のスピードでは流れ過ぎて行ってしまうものを一時的に留め、留まったもの同士の邂逅や新たな相互作用が生まれる事を期待しています。

 

|主催|滞留展プロジェクトチーム
|協力|Gallery PARC、ファンダメンタルズ プログラム
|広報協力|一般社団法人HAPS
|チラシデザイン|藤本敏行
|助成|京都市「Arts Aid KYOTO」補助事業
english

Statement

私の世界を球とした場合、私は対象と向き合った時に円が重なる場所はどこだろう、重ならなくても触れる接点のような場所はどこだろうと考えます。対象を俯瞰で見たり、ぐっと距離を縮めるなどして観察を行い、また同時に、作品として形にすることで接点を探ってきました。今回の対象は昆虫であると同時に生物学者の冨田さんでもあり、どうすれば彼らと接することができるかを、実践的かつ具体的な方法で探ってみました。

木村亜津

 

 

私たちが様々な生命現象と向き合ったときには、あらゆる階層で「擬人化」をして理解しようとすることに気づいた時に、私には「他の生物と意思疎通ができるのか(出来るとすればどうやって)」という根源的な問いが生まれました。しかしながら芸術家の皆さんとの交流を通じて感じたのは、人間同士でもその手段·方法は必ずしも保証されない、ということでした。開き直って全ての生物わけへだてなく「感覚共有幻想」として楽しむことにしました。

冨田秀一郎

 

 

生物学者の冨田さんとの交流は、お互いの「捉え難さ」が、出発点であると同時に交流に取り組む際の動機でもありました。様々な方法を通して、お互いの興味が動くポイントを探す”炙り出し作業”を続けています。 今回は、これまでの交流の中で、言葉を用いずに行った”もの”のやりとり「模型の交換」を並べます。また、身の回りの生き物についての記述の整理やアプローチをこの機に進め、今後の活動に還元出来る経験を増やしたい、と考えています。

前川紘士
english

Event

関連イベント1 「滞留トーク①」

展示会場にて、木村・冨田・前川の3人が、企画や展示物について話します。

◼️日 時:8月24日[土]15時〜16時
◼️定 員:15名(申込不要/先着順受付)

 

 

関連イベント2 「滞留トーク②」

出展者の3人が、交流の経緯や展示についてスライドを交えながら振り返ります。

◼️日 時:9月15日[日]15時〜16時
◼️定 員:15名(申込不要/先着順受付)

 

 

関連イベント3 「ワークショップ」

冨田と木村が、虫の糞をお湯で抽出してお茶として味わうワークショップを行います。
虫の糞にどんな味や、どんな色素が隠れているか、一緒に体験しましょう。

◼️日 時:8月25日[日]15時〜16時
◼️定 員:6名(要申込/先着順受付)

 

 

english

Kimura Azu CV+Works

木村亜津


Biography

2008 武蔵野美術大学 造形学部 卒業

 

Selected Exhibition

2023

「ファンダメンタルズフェスティバル」(駒場博物館 / 東京) 

「RHIZOME」(MARGIN, 東京)

「echo」(ヒコみずのジュエリーカレッジ / 東京)

 

2022

個展「鉄の風景 / Landscape of Iron」(Nidi gallery / 東京 )

「mother nature」(N&Aアートサイト / 東京)

「there – here」(duckrabbit gallery / シドニー)

 

2021

個展「佇まう / being there 」(Nidi gallery / 東京)

 

2017

「scenery 」(buckle kobo, 東京)

 

Residence

2022 アーティスト・イン・レジデンス (BigCi / Bilpin)

 

2018 黄金町アーティスト・イン・レジデンス (神奈川)

 

 

Tomita Shuichiro CV

冨田秀一郎


1965年生まれ 生物学者。専門分野は昆虫を材料とした発生生物学。カイコを材料として発生生物学、ウイルス学、細胞工学、昆虫生理学、進化生物学などの分野の研究をしている。

 


Biography

1990 東京大学大学院農学系研究科修士課程修了

 

1990 農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所

 

2001 農業生物資源研究所

 

2016~ 農業・食品産業技術総合研究機構


2019~ 筑波大学 グローバル教育院 教授(協働大学院)(兼任)


この間
1995-1996 大阪大学微生物病研究所
2001 博士(農学)(東京大学大学院農学系研究科)
2000~2002 Department of Zoology, University of Washington, Seattle WA

Maekawa Koji CV+Works

前川紘士


Biography

1980 大阪府生まれ

 

2004 京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業

 

2007 京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了

 

Selected Exhibition and projects

2024

「ユニバーサル・ミュージアム—さわる!”触”の大博覧会 直方巡回展」(直方谷尾美術館 / 福岡)

 

2023

「ファンダメンタルズ フェス2021-2023」(東京大学駒場博物館 / 東京) 

「ユニバーサル・ミュージアム—さわる!”触”の大博覧会 岡山」(KURUN HALL ・KURUNラウンジ / 岡山)

個展「前川紘士個展|多様体のドローイング -カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU) アーティスト・イン・レジデンス報告展-」(大阪大学豊中キャンパス サイエンス・コモンズ サイエンス・スタジオB / 大阪)

 

2022

「ファンダメンタルズ フェスmini2022」(東京大学駒場小空間 / 東京)

「ファンダメンタルズ フェスmini」(JR上野駅13番線ホーム / 東京)

「サイエンス温泉」(Kavli IPMU / オンライン) *中島啓(数学者)との交流の一環

 

2021

「ユニバーサル・ミュージアム—さわる!”触”の大博覧会」(国立民族学博物館 / 大阪)

「コミュニケーションの部屋」(和歌山県立近代美術館 )

「Ouverture d’Ateliers」(DRAWinternational / ケリュ、フランス)

 

2019〜

「釜ヶ崎の表現と世間をめぐる研究会」 ( NPO法人こえとことばとこころの部屋 / 大阪) *研究会開催及びフリーペーパー出版