-本公募に応募した理由について
単純に展示する場が欲しかったことと、PARCが移転して今のスペースになったことが大きいです。個人的に以前よりも展示空間が想像しやすかったです。
-今回の展覧会について
これまでの私の制作は個々の作品はバランスや相性では関連付けられても、イメージの羅列で終わっていたと思います。なので作品タイトルもナンバリングするのみでした。しかし、今回ははじめて展覧会として作品を制作しました。私自身も見えてこなかった作品同士の物語が少し現れてきたんじゃないかなと思います。
-今回の展覧会(作品)について、目論見・挑戦・希望など
「新しいことをしている」という自覚をもって制作したことです。シリーズ作品なのでベースはあります。それは制作する上で安定に繋がりますが、そんなのつまらないですし、また「こいつ変わった」と思わせたいです。その方が私自身が楽しいので。私はやっぱり子どもなんです。だから「楽しい」はかなり大きな原動力です。
-現在の素材・技法はどのような理由で選択しましたか
オープンキャンパスで初めて岩絵具を見ました。絵の具になる前の原材料の状態も。これまで絵の具はチューブに入った状態のものという認識が変わりました。「なぜ日本画なんですか?」とか「なぜ岩絵具を使うんですか?」という質問に、色々それっぽい理由はつけれますがやっぱり単純に面白いし綺麗だと思うからです。
-これまでの作品に通底する問題意識や興味は
絵を描くこと全般に対して興味はあります。でもその中で「もの」を見て描くことが制作のキーワードでもある「同一性と差異」に繋がっています。私は「もの」を見てしか絵が描けないですが、それは日本画を学ぶ中で取り組んできた写生の影響が強いと思います。その中で想像で絵を描くことに対してリアリティや実感が持てなくなりました。けれど、それは悪いことではないと思っています。むしろ現在の制作につながる手がかりとして、私にとって良い方向に繋がったと思います。また私は対象の再現率(再現性)を問うてはいません。「見て描いてもずれる」ことこそが絵の醍醐味かなと思います。
-作品をつくることはどういうことか
時間が形になることだと思います。
-作品を見せることはどういうことか
空間をコーディネートすることです。
- 魅かれるものは何か
ミーハーなので何でも惹かれるんですけど、私の勝手な解釈になりますが誠実なものに惹かれます。
-見たいものは何か
もっと広くて遠いところに行きたいです。どこかはわからないですけど。
-現在の自身の問題点などあれば教えてください。
たくさんあります。私は知らないことが多いです。美術においても普通の生活においても。私の中にあるものを増やしたいです。
-何が美しいか
誠実なもの
-何が醜いか
無責任なもの
-何がかっこいいか
わくわくできるもの
-何がかっこわるいか
なよってした感じです
-何を望んでいるか
作品が残ること
-何を求めているか
求められること
-何を恐れているか
感覚が鈍くなること
-これから何をしたいか
もっとたくさん制作したいです。