ウール素材のさらりとした手触りの布「モスリン」。 明治から昭和初期にかけて、鮮やかな色彩と多彩な図柄を特徴に隆盛を極めたモスリンは、その後の化学繊維の普及とともに急速に衰退し、現在ではその名を微かに記憶にとどめる程になりました。
この布に惹かれたアーティストを中心に、2007年に京都で発足した「モスリン会」。 鮮やかに染め上げられたモスリンによる着物やシャツ、コートやストールなどの制作・発表を通じ、失われつつあったその魅力を再び甦らせる取り組みは、 2010年には「神戸ファッション美術館」で展覧会を開催するにいたりました。
本展は、現在に再び注目され、その裾野を広げつつあるモスリンへの取り組みの一端を、京都造形芸術大学テキスタイルコースの学生作品を含むおよそ30点によりご紹介するものです。 開放的なギャラリー空間に展示された、豊かな色彩・様々なデザインに染められたモスリンによる着物、アロハシャツ、コート、ストール、タペストリーなどにより、現在に再び注目される「モスリン」の魅力をぜひご体感ください。
主催:Gallery PARC 協力:京都造形芸術大学、斎藤洋、中井由希子、 fujii+fushikino、八幡はるみ、SOU・SOU