Exhibition
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 Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2015年6月30から8月9日にかけて「Gallery PARC Art Competition 2015」として3つの展覧会を連続開催いたします。
 本展は様々なクリエイション活動へのサポートの一環として、広く展覧会企画を公募し、審査により採択された3名(組)のプランを実施するコンペティション「Gallery PARC Art Competition 2015」に応募された34のプランから、平田剛志(京都国立近代美術館研究補佐員)、山本麻友美(京都芸術センタープログラムディレクター)の2名の審査員を交えた厳正な審査を経て採択された田中秀介、中尾美園、明楽和記の3名による展覧会を実施するものです。ギャラリー・パルクではこのコンペティションに2014年から取り組み、本展は昨年に続き2回目の開催となります。

 2015年6月30から7月12日にかけて、その#01として、「田中秀介:私はここにいて、あなたは何処かにいます。」を開催いたします。
 田中秀介(たなか・しゅうすけ/1986年・和歌山生まれ)は、2009年に大阪芸術大学美術学科油画コースを卒業後、大阪・京都などで個展やグループ展を重ねるとともに、2014年には「シェル美術賞」や「トーキョーワンダーウォール」などへの入選を重ねるなど、精力的な活動を続けています。
 田中は『当たり前の様に過ごしている自分の生活を時間をかけて振り返り、描き出す事により 本来、人がもつ主観というものを見つめ直したい』として、私たちが日常の時の流れの中で無自覚的に承認してしまう存在、あるいは無関心として埒外に置かれている変哲のないものに関心を向け、それらを見つめ、描きだします。本展は田中の個人的な空間で目にした事・考えなどを発端として制作された絵画が、大まかな一日の流れを基に構成されます。その多くは極めて個人的な「記録と記憶」としての絵画であり、そこに私たちが共有できる具体的な景色は無いといって良いでしょう。しかし、田中が自身の主観や認識を自覚的になぞり、記憶や記憶ちがい、想像、妄想、空想などが綯い交ぜとなって描かれる「絵画」には、私たちにとって、どこかで見覚えのあるかもしれない景色を見ることができるかもしれません。

田中秀介プランについて(プラン採択審査時の寸評)

これまで現実と非現実が混じり合ったシュルレアリスム風な世界観が展開する絵画を描いてきた田中秀介ですが、今回のプランでは作者の起床から就寝までの一日の出来事を時間軸に沿って展示するというものでした。映画では『5時から7時までのクレオ』(1962)や『きょうのできごと』(2003)など、1日の出来事を主題としたものが多々ありますが、絵画ではあまり前例がありません。時間超越的な田中の絵画を現実の時間軸に当てはめたとき、どんな絵画の一日が現れるのでしょうか。そして、生活と労働を描くという点で、これは21世紀のプロレタリア美術なのかもしれません。

平田剛志(京都国立近代美術館研究補佐員)



展覧会について

最近、私の家の近くでは日本一の高さのビルが建設されました。駅の周辺は整備され、新しい商 業施設が立ち並び、元の景色は見る影もありません。様々な事柄が更新されて行くのは世の常です があまりの速さにその状況を未だに把握出来ずにいます。しかし、我々の生活は止まらずに続いて 行きます。 過ぎ行く、速い生活の中で、どうでも良いことは淘汰されて、あらゆる制約から即物的な決断をせ ざるを得ない状況が大きく広がっている様に思います。私自身もその渦中にいる自覚があります。
今回の展示は、私の大まかな一日の流れから構成されています。 描かれるものは、個人的な空間で目にした事、考えなどを発端とした情景であり、鑑賞者にとっては 何処なのか誰なのか何事なのかは解らないものが殆どだと思われます。しかし今一度、当たり前の様に過ごしている自分の生活を時間をかけて振り返り、描き出す事により 本来、人がもつ主観というものを見つめ直したいと思いました。



ステートメント

我々の暮らしはその土地の風土やそれに伴う環境により生活の基盤が出来ている。また、その基盤に基づき派生し、あふれるように存在する事物は、それらがその場所に即するように存在し、また即しているがために変哲もないと判断されるものになっている。言わば、これらは関心を持たずしても、無自覚的に承認してしまう存在である。
制作の発端は、これらの存在に関心を向ける事から始まる。
私にとって描く事は自覚的行為であり、又これらの存在を検証する術である。結果、その存在から先入観を解体し、その対象との新たな遭逢、認識を提示出来ればと考えています。

田中 秀介




作家略歴

田中 秀介|Tanaka Shusuke

2009年 大阪芸術大学 美術学科 油画コース 卒業

主な個展

2013年 「回想と突発のわれわれ」  / Gallery Morning、京都
2012年 「節々の往来」  / Gallery Morning、京都
「破竹の集約」  / room.A、大阪
2011年 「香ばしい遜色 」  / room.A、大阪
「空回る傍観」  / Gallery Morning、京都
「Tanaka Shusuke solo exhibition」  / Alternative Space MARU、韓国
2010年 「華やかな隔たり」  / 2kw gallery、大阪
「差し出る誤解」  / room.A、大阪
「平穏のむきだし」  / Gallery&Cafe E・R・I+Y、奈良
2009年 「信じがたい部分」  / Gallery Den 58、大阪

主なグループ展

2015年 iquid section  / 2kw gallery、大阪
FACE 2015 損保ジャパン日本興亜美術賞展  / 損保ジャパン日本興亜美術館、東京
2014年 シェル美術賞展2014  / 国立新美術館
トーキョーワンダーウォール2014 入選作品展  / 東京都現代美術館
「まよわないために -not to stray-」 / the three konohana、大阪
CONSTELLATION 2014-星座的布置展- / 上野の森美術館
2013年 「夜水鏡みがかず見るよー死と詩ー」 / Gallery OUT of PLACE、奈良
有馬温泉路地裏アートプロジェクト2013 / 有馬温泉、兵庫
「5Artist」 / 阪急メンズ館、大阪
2012年 「アート街道」 / 神戸アートビレッジセンター
「Favorite Art view」  / Gallery Morning、京都
〔FUKUSHIMA ART プロジェクト〕 / 元・立誠小学校、京都
2011年 「Worldmaking」 / 2kw gallery、大阪
「Pilot Plant-昭和は遠くなりにけり」 / CAS room.A、大阪
2014年 「ART SAN DIEGO CONTEMPORARY ART FAIR 2010」 / Hilton Hotel、San Diego(America)
「TASTING ART EXHIBITION」(’10・’11) / 阪急メンズ館、大阪
2014年 「S.S.S.」 / 大阪、Gallery Den
「サントリー賞受賞特別展 薄い皮膚」 / サントリーミュージアム[天保山] 
「Art camp 2009」 / Gallery Yamaguchi Kunst Bau、大阪
「Tokyo wonder seeds」2009 / トーキョーワンダーサイト、東京
「Acryl Award 2008 巡回展」 / 東京・大阪・北海道

レジデンスプログラム

2010年 「Asia Art Program]  / Alternative Space MARU、韓国(昌原)

受賞・入選 等

2014年 FACE 2015 損保ジャパン日本興亜美術賞 入選
シェル美術賞 入選
トーキョーワンダーウォール2014 入選
2010年 第24回 ホルベイン・スカラシップ 奨学生 認定
「Art Camp 2009」 サントリー賞 受賞
Tokyo wonder seeds 2009 入選
Acryl Award 2008 入選
 
作品画像

いにしえと青年の道
90×69cm
木製パネルに紙・油彩
2015
©TANAKA SHUSUKE

作品画像

おやじの成り際
60.6×50.0㎝
木製パネルに紙・油彩
2015
©TANAKA SHUSUKE

作品画像

朝コイル
53.0×45.5㎝
木製パネルに紙・油彩
2015
©TANAKA SHUSUKE

作品画像

頑然たる漠然
130.3×194.0 ㎝
キャンバス・油彩
2014
©TANAKA SHUSUKE

 

 

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