ギャラリー・パルクでは、2014年2月11日[火]から2月23日[日]まで、展覧会「Lagrangian point -ラグランジュポイント-」を開催いた します。
本展は主催を愛知県立芸術大学・現代美術研究センター構想として、同大学准教授である美術作家・大﨑のぶゆきの企画によるものです。
その趣旨を『愛知県立芸術大学油画専攻の在学および卒業生による展覧会として企画したものであり、彼らが日本の中間地点「愛知」という場所で思考し、表現しつつあるものを紹介することでその「視点」を考察する試み』として、愛知県立芸術大学油画専攻の在学および卒業生 より5名を選抜して開催される本展は、そのキャリアやジャンルは幅広いながらも、いまだ未分化とも呼べる「現在進行形」の若い作家達の視点に注目することを趣旨としています。
「あいちトリエンナーレ2013」出品作家であり2011年に愛知県立芸術大学大学院を修了した荒井理行をはじめ、田中成美、杉浦由梨・三浦友里・山口麻加の5名の出品作家はいずれも同大学在学・卒業の若手作家ですが、その表現は絵画・版画・インスタレーションと幅広いも のです。同大学准教授であり、本展企画者である美術作家・大﨑のぶゆきの監修によって選ばれたこの作家達は、個々の表現においてはいま だ発展途上段階にあるといえるかもしれません。しかし、その未完成さを置いても個々の表現や取り組みには、現在のアートシーンにおける「東京」や「京都」「大阪」といった地の影響の少ない、未だ大きな文脈に位置づけ難い特殊な表現の様相、あるいは様々なベクトルの「中間地点」としての愛知が持つ特性を垣間見ることが出来るのではないでしょうか。
タイトルを「ラグランジュポイント=天体力学における円制限三体問題の5つの平衡解。いくつかの力(ベクトル)が釣りあった(打ち消しあ った)場所」とする本展は、現在進行形のベクトルにある若手作家の「未分化であること」の可能性を見据える機会であるとともに、その表現・ 視点を追うことから現在の「愛知」というアートシーンの魅力を改めて捉えなおす機会になるのではないでしょうか。
折しも京都市内で各大学の卒業制作展が立て続けに開催される期間にあって、近くて遠い「愛知」からの未知数のベクトルに触れ、多様な 表現の可能性を垣間見る機会としてお楽しみいただければ幸いです。