2014年8月14日〜8月24日

 

タイルとホコラとツーリズム

 Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2014年8月14日[木]─ 8月24日[日]まで、「 タイルとホコラとツーリズム 」展(主催:「タイルとホコラとツーリズム」実行委員会)を開催いたします。

京都の街角を歩いた際、不意に地蔵菩薩や大日如来などを奉ったホコラを目にすることがあります。それらの多くはコンクリートや石詰みの基礎の上に木造の社を持つものなどですが、そのしつらえにタイルづくりを取り入れたものもしばしば見受けられます。今も街角に残るホコラには、それらが地域に受け継がれ、奉られてきた信仰の対象である事を伺い知る事が出来ます。また、しばしば目にするタイルづくりのホコラには、それらが受け継がれるにあたり、今日的な都市の様相を取り入れてきた歴史や変遷に思いを馳せるとともに、タイルという建材の持つ清潔さとホコラの持つ神聖さが無縁ではないだろう事を想像させます。

本展はそれぞれ特異な表現活動を続ける谷本研(たにもと・けん / 1973〜)と中村裕太(なかむら・ゆうた / 1983〜)の美術家2名が、京都市内で目にするホコラ(路傍祠)の生態系に着目したもので、「タイル」と「ホコラ」をそれぞれのポイントとして捉え、それらを地域における「ツーリズム(観光)」といった視野で考察する試みです。

京都市立芸術大学大学院造形構想専攻修了後、アートとその周縁に関わりながら企画活動を行うとともに、観光ペナントの収集研究家として知られる谷本研は、独自のフィールドワークにより市内中心部のホコラから三十三所を厳選し、その巡礼ルートを編集するプロセスを通じて、「聖と俗のはざま」に思考を巡らせます。2011年京都精華大学芸術研究科博士後期課程修了し、〈建築工芸〉という視点からタイル・陶磁器などの理論と制作を行なう中村裕太は、街角で見かける内装タイルで装飾された〈タイルホコラ〉に注目し、建築・工芸・民俗の観点からのリサーチをもとに、路傍で採取したタイル片を用いた盆棚を会場内に組み上げます。

会期中には谷本がツアコンをつとめるホコラ巡りツアー「ホコラ三十三所巡礼ツアー」や、京都の地蔵信仰や地蔵盆の歴史をもとに、〈信仰〉の対象をどのように〈観光〉の視点で展開するのかを取り上げるクロージング・トーク 「信仰を観光する」を開催するなど、「タイルとホコラ」を巡る様々なオブジェで飾り立てられたギャラリーは、ツアーのための観光案内所やトーク会場となります。

地蔵盆の時期、「タイル」と「ホコラ」という一見関わりの少ないテーマに取り組む本展では、身近な京都のさらに見過ごされがちなスポットに焦点をあてることで、そこから広がる新たな都市空間への視点を提案します。

関連イベント

ワークショップ 「ホコラ三十三所巡礼ツアー」
市内中心部からセレクトした三十三所のホコラを、お盆時期の2日に分けて徒歩で巡ります。普段通り過ぎていた町を、これまでとは異なる目線で味わいましょう。すべて巡れば、きっとご利益あり!?
定   員 ■ 各コース 15名
料   金 ■ 500円(※参加の方には記念ペナントを進呈)
ツアコン ■ 谷本 研
予約方法 ■ 氏名 / 住所 / 電話番号 / メールアドレス / 希望のコース( A or B )を明記の上、【 tanimoto@seian.jp 】までメールにてお申し込み下さい。当日まで受け付けていますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
備   考 ■ 小雨決行・荒天中止

<Aコース(南行き)>
8月16日(土)13:00~16:00 ※終了時間は若干の変動あり
第一番~第十七番を巡礼。歩行距離…約7.5km PARC → 六角堂 → 仏光寺界隈 → 松原道祖神社周辺 → 四条烏丸(現地解散)
<Bコース(西行き)>
8月17日(日)13:00~16:00 ※終了時間は若干の変動あり
第十八番~第三十三番を巡礼。歩行距離…約8km PARC → 堀川御池周辺 → 三条会商店街周辺 → 壬生寺界隈 → 四条大宮(現地解散)

クロージング・トーク 「信仰を観光する」
京都の地蔵信仰や地蔵盆の歴史をもとに、〈信仰〉の対象をどのように〈観光〉の視点で展開するのか。 さらに、アートと人類学の関係性にも踏み込んだトーク・イベントを、まさに地蔵盆の日に開催します! 町内の隣人や子供達になった気分で集いましょう!
日   時 ■8月23日(土) 15:00 - 17:00
定   員 ■30名 *入場無料/予約不要
講   師 ■師 茂樹[花園大学文学部准教授・仏教学] 菊地 暁[京都大学人文科学研究所助教・日本民俗学]
コーディネーター ■ 佐藤守弘[京都精華大学デザイン学部教授・視覚文化論]

出展作家略歴

谷本 研 |Tanimoto Ken

1973年 神戸生まれ
  京都市立芸術大学大学院造形構想専攻修了

アートとその周縁に関わりながら企画活動を行う。代表作に「デカダン秘宝館」(1996 / ギャラリーココ)、「当世物見遊山」(1999 / お宿吉水)など。2002年からは大津市仰木をフィールドに「地蔵プロジェクト」を展開中。2003年「新開地アートブックプロジェクト」や、2007年より福祉施設「みずのき」のアートプロジェクトにも関わる。デザインや漫画も手掛け、『ブリコラージュ・アート・ナウ 日常の冒険者たち』(2005 / 国立民族学博物館)や「Dan Graham: Beyond」(2009 / MOCA)図録などに漫画を執筆。観光ペナントの収集研究家として知られ、著書に『Pennant Japan』(PARCO出版)がある。

 
作品画像

《ヤオロズノホコランタン》
丹波国分寺跡アートスケープ展示風景
谷本研×みずのき畑チーム×studio森森
2010年 撮影:佐野大祐
©谷本 研

出展作家略歴

中村 裕太|Nakamura Yuta

http://nakamurayuta.jp/


http://appartsstudio.tumblr.com/

1983年 1983年東京生まれ
2011年 京都精華大学芸術研究科博士後期課程修了

博士(芸術)。博士論文「郊外住居工芸論─大正期の浴室にみる白色タイルの受容」。京都精華大学・京都造形芸術大学非常勤講師。 〈建築工芸〉という視点からタイル、陶磁器などの理論と制作を行なう。最近の展示に「六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト─来たるべき風景のために」(2013 / 森美術館)など。 またapplied arts(応用芸術)としての工芸を作り手の視点から読み解き、その制作の方法を探っていく〈APP ARTS STUDIO〉 という教育プログラムを運営。

 
作品画像

《日本陶片地図》
陶片、絵葉書、貼箱
100×148×40mm
2012年 撮影:表恒匡
©中村裕太

 

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