Competition
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|応募概要・審査結果|
Gallery PARC Art Competiton 2018
|募集内容|
ギャラリー・パルクの2階・3階・4階の展示室を使用した展覧会プランを募集いたします。個展・グループ展などの展覧会形式、作品ジャンル・応募者の年齢・居住地・国籍など不問。アーティスト、グループ、キュレーターからの応募も可能です。いずれも実施期間に必ず開催できる内容に限ります。ただし公序良俗に反すると主催者にて判断される内容については不可といたします。
展覧会の実施に至るまで責任・積極性をもって遂行すること、またその内容・進行などについてギャラリー・パルクと協議できることを条件といたします。
|応募対象|
作品ジャンル・性別・年齢・国籍不問。アーティスト、グループ、キュレーターからの応募も可能。入選の場合には、展覧会の実施に至るまで責任・積極性をもって遂行すること、またその内容などについてギャラリーと協議できることを条件といたします。
|審査結果|

応募期間
2018年1月10日[水] ─ 2018年2月11日[日]

応募総数
66プラン

審査員
平田剛志(美術批評)、勝冶真美(京都芸術センタープログラム・ディレクター)

採択プラン(展覧会タイトルはいずれも仮のものです。それぞれの会期は決定次第発表します)
■「距離をとってみるために」 応募者:平野泰子  形式:個展(絵画)
■「M ≒ m」 応募者:森岡真央  形式:個展(絵画)

*なお、応募資料の郵送・直接の返却は3月半ばよりおこないます。

|審査員総評|
Gallery PARC Art Competition 2018 審査員総評

5回目となる本公募は、過去最多の66件のプランが集まりました。ご応募頂いた方々に心より感謝申し上げます。本年より、ギャラリー移転に伴い、会場が3フロアへ拡大、会期が3週間に延長、公募枠が2名(組)へと変更となりました。条件は難しくなりましたが、質の高いプランが多く集まりました。

今年の応募プランの特徴は、「インスタ映え」ならぬ「インスタレーション映え」を指向したプランが多かったことです。世間と同じく美術界も「インスタ」流行りのようです。
しかし、絵画や彫刻、染織、陶芸、写真、映像、リサーチ作品までが「インスタレーション」の言葉で記述される状況をみると、「見栄え」だけで言葉を選んではいないかと戸惑います。果たして「インスタレーション」とは、どのような言葉なのでしょうか。今一度、言葉を振り返る必要がありそうです。

たくさんのプランの中から2つを選ぶ難しい審査となりましたが、作品のオリジナリティ、イメージの強さ、技術、プランの簡潔で明確な文章を総合的に判断し、平野泰子氏、森岡真央氏の2氏を選出することとなりました。

平野泰子「距離をとってみるために」
平野が描くカラーフィールドペインティングは、今回の応募プラン中唯一、絵画の色層から立ち現れる空間を表現していました。マーク・ロスコやバーネット・ニューマンを思わせる「場(フィールド)」の現出は、絵画にしかできない、絵画だからこそできる普遍性と可能性を感じました。テーマの「距離を持つ」は、絵画と空間の関係だけでなく、対象や時代と距離を持つ態度でもあるでしょう。芸術が「つながり」過ぎている今、平野の絵画を距離を持って見つめたいと思います。

森岡真央「M ≒ m」
犬や家、アイスクリームなどをドローイング風に単純化した線で描く森岡の絵画シリーズは、飄々として朗らかで、絵を見ることの愉楽を呼び覚まさせてくれるプランでした。とはいえ、森岡の絵画はシルクスクリーンやイラストレーションではありません。「同一性と差異」をテーマに、大胆不敵なモチーフ選択とドローイングを解体・再構築した線と面の構成によって生まれた日本画なのです。本展は、「日本画」の言葉をことさら必要としない絵画の現在形をポジティブに示す機会となるでしょう。

平田剛志(美術批評)

今年は前年に比べ応募件数も文字通り倍増し、本コンペティションの認知度が向上していることを感じました。Gallery PARCが移転し新たなスペースとなったことが、アーティストにとってここで展示したいという動機付けになったのかもしれません。新生Gallery PARCでの初めてのコンペティションということで、この2階から4階へと続く特徴的な空間への魅力的な提案が多くありました。

審査の結果、平野泰子氏と森岡真央氏、共に絵画作品の展示プランを選出しました。
本コンペは作品審査ではなく、プラン審査です。作品をどのように見せるのかについて意識を向けて欲しいというギャラリーの思いによるものですが、それは決して空間性が作品よりも重視されるということではありません。作品をどのように見せるのが最もふさわしいのか、という問いかけなのだと思います。
選出されたお二人のプランは決して奇抜な展示プランでもなければ、目新しい空間設計でもありませんが、それぞれの絵画作品と制作の動機、そして展示プランが適切にリンクしているように思いました。展示を通して多くの人がお二人の作品との対話を楽しまれることを願います。

今回は選外のプランの中にも興味深いものがいくつもありました。みなさんの今後の活動を楽しみにしています。


勝冶真美(京都芸術センタープログラム・ディレクター)

|採用プラン概要・ステートメント・作家略歴|

*展覧会タイトルはいずれも仮のものです。それぞれの会期は決定次第発表します。

「距離をとってみるために」 

応募者:平野泰子  
形式:個展(絵画)
開催予定:決まり次第おしらせします
詳細はこちらから

《 Twilight 1409 》|2014年|キャンバスに膠、石膏、油彩|撮影:上野則宏 ©平野泰子

【プラン内容】
近年で技術的特異点、宇宙の起源解明、人工知能、人工細胞など未知なものが解明されたり、考えても見なかった未来が想定されています。
そんな中、私たちは新しい技術や価値観にどのように関わっていけるのか、また選択して行くのか。
この過渡期を共に迎え、選択を迫られるかもしれない人達と絵画を通して関わる事を目的としています。
速さや手短さを求める現代に対して、大切なことに気付く為には距離が必要です。
それを絵画で提案し、曖昧なものや未知なことに敏感な眼差しを見出すことが芸術の役目でもあると思うのです。
作品は、画面での構成、質、在り方(形が描かれている、いない)は違いますが、両方とも「距離を持つ」というテーマです。
イメージはあくまで記号や図のようなもので、サインの機能のみで描かれていて、絵の具の力と対照的に存在しています。図と物質が互いに接点を持たせることを求め会場を構成します。

【ステートメント】
学生の頃や以前は風景画や場所のスケッチを描いていましたが、風景を見つめることはあくまできっかけに過ぎず、対象が風景であれなんであれ、対象との距離や関係に「想いを馳せる」と言うことを形にすることが私にとって重要です。例えば昔の人々は星空を眺めて星座を作り、形を見出したように、膨大な空間に想いを馳せることに人間の根源的な創造性を感じ、惹かれます。
昔から変わらない表現方法の絵画を選び、私は今現在の未知なものや、わからないことに対して答えの一つとして絵を描いています。目の細かいカンバスに自作のジェッソを研磨して平らな画面に何層にも色を重ねることでグレースケールの画面を生み、その行為や空間の中に疑問や想いを表現しています。「想いを馳せることの絵」を描いているというより、「馳せることの出来る装置」になるように絵を完成させます。私は科学者でも宇宙論研究者でもありませんが、人間の創造性は未知なものに対して向けた眼差しであったように、世界を知ろうとし関わりを持ち続けるために描いています。

【略歴】
1985年 富山県生まれ
2007年 京都精華大学 芸術学部造形学科洋画専攻 卒業

個展
2007年 そこに在るもの(京都精華大学 7-23ギャラリー / 京都)
2009年 Twilight(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2013年 Twilight(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2013年 隠れた形 - 影になる(a-room / 京都)
2018年10月頃開催予定 平野泰子展(仮)(calm and punk gallery / 東京) グループ展
2007年 ささげるこころ展(京都精華大学 7-23ギャラリー / 京都)
2007年 修仁展(京都精華大学 7-23ギャラリー / 京都)
2007年 アミューズアートジャム2007(京都)
2009年 ARTIST FILE 01(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2010年 ARTIST FILE 02(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2011年 贈り物(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2011年 ARTIST FILE 03(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2012年 ARTIST FILE 04(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2013年 ARTIST FILE 05(masayoshi suzuki gallery / 愛知)
2014年 WHEN THE CONTRASTS FADE AWAY(PINE BROOKLYN / 大阪)
2015年 VOCA展 2015 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち(上野の森美術館 / 東京)
2016年 下町芸術祭 ウィズ・ペインター(神戸市立地域人材支援センター / 兵庫)

受賞歴
2016年 「第30回ホルベインスカラシップ」奨学生認定

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「M ≒ m」 

応募者:森岡真央  
形式:個展(絵画)
開催予定: 決まり次第おしらせします
詳細はこちらから

《 component of..no.11 》|2018年|パネルに麻紙 墨 胡粉 顔彩 岩絵の具|©森岡真央

【プラン内容】
2017年より始めた「component of..」というシリーズの新旧を混ぜた個展を開催したいと思います。本シリーズはドローイングで描き出された線とそこから想起した面のイメージを元に制作しています。現在は、構成による三つのアプローチで展開しており、プランタイトルに挙げた「 M ≒ m 」は本シリーズのキーワードとしてある「同一性と差異」を表しています。新旧を混ぜることでシリーズの展開の様や、私の関心が見えてくるはずです。また、展覧会を通して「見ること」と「描くこと」の関係性を見直すきっかけになることを期待しています。

【ステートメント】
制作を続けていく上で、「何」と「何故」は尽きない。
何を描くのか。何を表現するのか。絵画とは何か。何故絵を描くのか。
一つ一つ自分に問い直しながら進んでいく。
紡ぎ出された答えはコンセプトの形成に繋がる。

そして作品はたくさんのプロセスが積み重なり表現として成り立つ。
描いている時の感覚、紙と筆が触れる瞬間、じわじわと現れてくるイメージ、制作時の緊張感、それら全てに感応している。
私が制作に求めているのはそういった感覚の部分が大きい。
「何」も「何故」も結局はここに行きつくのかもしれない。

その一方で、自分が專攻してきた「日本画」という分野の中で感じている「日本画のビジュアルイメージが固定化されているのではないか」という問題意識が制作背景にある。
おそらくそのイメージは近代までの間に確立されていて、現在もそれまでに描かれた古典的な技法や画題を軸とした作品が描かれ、イメージを保ち続けている。そのせいか本質的な部分を意識している作品が少ないように感じる。そのイメージに沿っていれば「日本画である」ということに疑いがないようにも感じるのだ。また、分野の外を意識している作品も本当に少ない。
ここまでいうとかなり批判的に聞こえるかもしれないが、私は批判をしたいわけではない。これらのことを私個人の制作に置き換えた時、それらが問題意識として存在し、現在の制作に繋がっている。そして「日本画」の分野の中で培われてきた美意識や制作プロセス、東洋美術の表現が私が感じている「日本画」の本質的な部分である。
「日本画」とは何か、その本質への問いかけと、そこに留まらず「絵画としての在り方」を探っていきたい。

【略歴】
1993年 大阪府生まれ
2018年 3月 嵯峨美術大学大学院 芸術研究科 芸術專攻 造形絵画 日本画分野 修了見込み

グループ展
2017年7月 shu・ha・ri(京都文化博物館 / 京都)
2017年9月Tourbillon15(oギャラリーeyes / 大阪)
2017年9月京都学生アートオークション(京都芸術センター / 京都)
2018年2月第46回嵯峨美術大学 短期大学+大学院 制作展(嵯峨芸術大学 / 京都)

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